- 発行日 :
- 自治体名 : 静岡県裾野市
- 広報紙名 : 広報すその 令和7年9月号
子ども(18歳以下)の自殺は、学校の長期休暇明けから増加する傾向があります。子どもを取り巻く人みんなで見守ることが大切です。一人で悩まず、打ち明けられる人や場所、方法があることを覚えておいてください。
◆自殺の実態
年齢階級別死因順位(静岡県 令和5年)
参考:人口動態統計
県内の年代別の死因順位は、10代~30代では自殺が1位となっています。10代20代は自殺によって亡くなる割合が多いことからも、若年層の自殺対策が必要です。この傾向は、全国的にも同様です。
自殺は、その多くが追い込まれた末の死です。さまざまな背景から「誰にでも起こり得る危機」と言えます。
■SOSの出し方教室
保健師が、小学5年生と中学1年生を対象に、不安や悩みについての授業を行っています。不安や悩みはシャボン玉のようです。「本当はやりたくないな」「傷つくことを言われた」といった悩みは、時間の流れと共に大きくなったり小さくなったりし、いつの間にか消えていたりします。でも、なかなか消えないシャボン玉(不安や悩み)は、こころの中で重くなっていきます。そんなときの対処方法を一緒に考えています。
杉山秋月(あつき)さん(須山中1年)
授業を通して、ストレスを感じることは自然なことだと学びました。友達が悩んでいるときには、親身に寄り添うように心掛けたいです。その友達がどのように感じ、考えているかを、自分自身が先生たちに伝えることもしていきたいと思いました。
■あなたもゲートキーパーに
◇ゲートキーパーの役割
悩みを抱えている人の「心のSOS」に気付き、悩みを良く聞き、一緒に考える人をゲートキーパーといいます。ゲートキーパーになるためには、特別な技術や資格は必要ありません。大切な人を支えたいという気持ちが大切です。
◇まずは、声をかけてみませんか?
自殺を考えている人も、心の中では「生きたい」という気持ちとの間で激しく揺れ動いていると言われています。周囲の人がそのことを理解し、手を差し伸べたりすることで、状況が改善する可能性があります。
◆4つの役割
1 気付く
家族や仲間の変化に気付く
2 声を掛ける・聴く
本人の気持ちを尊重し、耳を傾ける
3 つなぐ
専門家に相談するよう早めに促す
4 見守る
温かく寄り添いながらじっくりと見守る
◆出前講座を利用しませんか
ゲートキーパーの役割は、悩みや問題を抱えている⼈、⾃殺の危険を抱えた⼈に気づき関わることです。このゲートキーパーを増やすために、健康推進課ではゲートキーパー養成の出前講座を実施しています。悩んでいる人に気づき、声を掛け、話を聴いて、必要な支援につなげ、見守るための具体的な方法について、ロールプレイングなどを行いながら学びます。講座を希望する人は、健康推進課へ連絡してください。
◆子どものSOSへの感度を上げましょう
子どもの心はまだ未成熟です。
周囲が子どものSOSのサインに対する感度を上げることが求められています。 子どもや若者の自殺に関する特徴の一つとして、衝動性が高い傾向が挙げられます。子どもや若者で自殺を考えている場合には、それほど時間が経たないうちに自殺を図ってしまう傾向が成人よりも顕著です。
子どものSOSをキャッチしたら、早めに専門家に相談しましょう。
◆こころの健康相談
一人で悩まず、まずはこころの健康相談で相談してください。
相談員:医師、保健師
ところ:福祉保健会館
予約:相談日の1週間前までに電話または窓口で予約してください。
問合せ:健康推進課
【電話】992-5711