- 発行日 :
- 自治体名 : 静岡県御前崎市
- 広報紙名 : 広報おまえざき 令和7年5月号
地球温暖化が深刻さを増す中、「GX(グリーン・トランスフォーメーション)」という言葉が注目されています。少し難しそうに聞こえるかもしれませんが、簡単に言えば「環境にやさしい社会へ変わっていこう!」という動きのこと。本特集では、GXって何?という基本から、市の取り組み、そして私たちにできることを紹介します。
◆このままだと未来があぶない!? ―気候変動と私たちの暮らし―
▽異常」が「日常」になりつつある今
近年、「夏が長くなった」「冬でも暖かい」そんなふうに感じたことはありませんか?実はこれは、気のせいではありません。日本を含め、世界中で、気温は少しずつ、確実に上がり続けているのです。さらに、集中豪雨などによる災害が各地で発生するなど、気候の「異常」が「日常」になりつつあります。これらの変化は「地球温暖化」の影響だと考えられており、私たちの暮らしに影響が表れています。
世界気象機関と国連環境計画により設立された組織「気候変動に関する政府間パネル」が発表した「第6次評価報告書」によると、世界の平均気温が今より1・5度以上上昇すると、私たちが経験したことのないレベルの気候変動が現実になるとされています。極端な熱波、洪水、干ばつの発生頻度が高まり、農業や水産業への大きな影響により、食料不足や物価の上昇につながり、経済の混乱を引き起こす可能性があるというのです。
生態系にも大きな変化が起こり、動植物の絶滅、森林火災の多発など、自然のバランスが崩れ、私たちの暮らしに大きな影響を与えることは避けられません。
▽「GX」って何?
昨今における暮らしのデジタル化により、産業部門における電力消費量の増加が見込まれています。現在、日本では発電時に二酸化炭素(CO2)を排出する火力発電が約7割を占めています。そこで、今、世界で注目されているのが「GX(グリーン・トランスフォーメーション)」です。GXとは「石油や石炭などの化石エネルギー中心の社会からクリーンエネルギー中心の社会へ転換するとともに、カーボンニュートラルやエネルギーの安定供給、経済成長を同時に目指す取り組み」のこと。その中のカーボンニュートラルとは、排出されるCO2と吸収・除去されるCO2の量を差し引きゼロにすることをいいます。つまり、実質的に温室効果ガスを出していない状態のことです。
地球の課題と言われると規模が大きすぎてどこかひとごとのように感じるかもしれませんが、GXを成功させるために欠かせないのが、地域の力と、住民一人ひとりの意識です。
▽御前崎市の平均気温の推移(10年間単位)
(昭和51年~令和5年)
資料:気象庁ホームページ
▽GX(グリーン・トランスフォーメーション)とは
※詳しくは広報紙をご覧ください。
◆未来のために今できること ―御前崎市が進めるGX―
1.公共施設の再エネと省エネ
市役所本庁舎・西館・研修センター・市民会館・市立図書館の5施設の電力スマート利用計画を進めています。各施設に太陽光発電システムを導入し、発電された電力の余剰分を他の施設へ供給することで、発電電力の有効利用とCO2排出量の削減を図ります。
CO2年間123t削減=ガソリン車が615,000km走行事名:地球を15周半するときに排出する量
▽各施設で発電された電力の共有
・市役所本庁舎
・市役所西館
・研修センター
・市民会館
・市立図書館
土日祝に電力使用量が増える図書館や市民会館に、閉庁している市役所本庁舎、西館、研修センターで発電された電力を供給する。
2.AIオンデマンド交通
市では、令和7年10月からAIを活用したオンデマンド交通の実証運行を開始する予定です。AIを活用したオンデマンド交通システムとは、利用者の需要に合わせて運行する乗り合い交通のことです。
本サービスでは、利用者が時間・場所を予約すると、AIが、複数人が乗り合う効率的なルートを導き出し、小型車両が配車されます。
従来の自主運行バスに比べ、利用者のニーズに合わせた運行ができるとともに、利用者全体での合計移動距離の短縮や運行車両の小型化によって環境負荷の軽減にもつながります。
3.地元事業者との連携
新野川・筬川流域の事業者22社で構成される「新野川・筬川の自然を守る会」では、各事業者のカーボンニュートラルに向けた取り組みを共有する意見交換会を実施しています。意見交換会には市職員も参加し、市内事業者の現状や取り組みを把握する機会となっています。
4.ポータルサイトエネSmileタウン
エネルギーに関する理解促進や正しい知識の普及を図るため、本市のエネルギー情報を集約した特設サイト。分かりやすく、誰もが親しみやすい情報が満載です。
5.補助金の交付