健康 病院だより

■溝口ファミリークリニック様から寄附をいただきました。
袋井市浅岡の溝口ファミリークリニックを運営する医療法人MFCの溝口哲弘理事長より、跳ね上げ式車椅子2台及びロビーチェア1台を寄附いただきました。
5月29日の贈呈式では、ご家族が当院に入院した際に、スタッフが丁寧に対応してくれたとの謝意のお言葉もいただきました。

■目標管理発表会を開催しました。
毎年恒例の公立森町病院「目標管理発表会」を、5月24日に森町文化会館小ホールで開催しました。中村院長から昨年度の病院全体の事業報告と今年度の目標の発表、また、前年度に功労のあった職員の表彰が行われました。続いて各部署が、昨年度の実績と今年度の目標を大型スクリーンなどを用いて発表しました。各部署から意気込みが伝わる発表会となりました。

■帯状疱疹(ほうしん)の予防接種が今年4月から定期接種となりました(シリーズ2回目)
〜公立森町病院 予防接種外来担当 水野義仁〜
帯状疱疹に罹(かか)る人が増えています。
前回、帯状疱疹に罹る人が増えているということを報告しました。
なぜ、増えているのでしょうか?
主な理由は2つあります。1つは高齢者が増えている、もう1つは水痘ワクチンが定期接種となった…です。


宮崎スタディのデータを参考に水野先生が作成

(1)高齢者が増えている
高齢者で帯状疱疹に罹る人の数=
高齢者の人口×高齢者の帯状疱疹の発症率
となります。ご存じの通り、高齢者の人口は増えています。発症率もここ20年でおおよそ1.5倍となっています。今後、高齢者の人口が頭打ちになっても、発症率は横ばいあるいは増加することが予想されます。この点については、次の話とも密接に関係します。

(2)水痘ワクチンが定期接種となったことで帯状疱疹が増える?
これはどういうことでしょうか。定期接種と言っても、接種の対象者は1歳から3歳までの子どもたちです。
話が帯状疱疹の話題から少し逸れますが、麻しんや風しんに一度罹ると再び罹ることはありません。それは体に備わっている“免疫”という仕組みのおかげであることはご承知のとおりです。水痘も一度罹ると再び罹ることはありません。しかし、病気によっては一度罹っても、しばらくすると、また罹ってしまう病気もあります。例えば、インフルエンザに毎年罹ってしまう人がいます。最近のできごとも過去の思い出も忘れていくように、免疫の仕組みも罹ったことを忘れていくことがあります。病気によって忘れてしまう期間が異なります。例えば、ノロウイルスに罹ったことは1年ほどで忘れてしまいます。水痘に罹ったことも徐々に忘れていきますが、それでも一生の間、罹らずに済んでいます。一方、帯状疱疹の場合は、その発症を抑え込むために、かなり強力な免疫の力を必要とします。少し忘れかけただけで、帯状疱疹になってしまいます。水痘に罹ったことを免疫の仕組みが忘れないようにするために、水痘に罹った子どもたちの存在が必要なのです。
水痘に罹った子どもたちから水痘ウイルスをもらうことで免疫は記憶を新たにします。水痘に罹る子どもたちの数が減る、周囲からいなくなる・・ということは、帯状疱疹に対する免疫の力を維持できないことにつながります。帯状疱疹が増える要因の1つに子どもたちへの水痘ワクチンの定期接種化があるのです。
他の病気からすると一風変わった病気である“水痘”、そして、水痘と帯状疱疹の関係については次回に説明させていただきます。

水痘ワクチン定期接種化後の水痘発生動向の変化
~感染症発生動向調査より・第3報~ 国立感染症研究所

問合せ:公立森町病院
【電話】85-2181