- 発行日 :
- 自治体名 : 愛知県西尾市
- 広報紙名 : 広報にしお 2026年2月号
■守る
農業を守り続けてきた生産者たち。西尾の農業をこれから先も守り続けていきたいと、皆さんが口を揃えて話します。
今回は、2人の生産者にインタビューし、西尾の農業に対する想いを聞きました。
【Voice of farmers (1)】天野農園 天野さん

◎トマトの声を聴く。
わが子のように見守るのが一番大切
子どもの頃から、両親が作ったトマトを「おいしいね。また買いたい」と周りの人が言ってくれる姿を見て、いつか自分もそのような声を掛けてもらえたらと思っていました。20代前半の頃、名古屋で働いていましたが、家庭の事情などで、継ぐのは今しかないという気持ちになり農業の道に足を踏み入れました。
天野農園で作っているミニトマト「赤美味(あかうま)」の特徴はなんといっても甘さ。糖度14度で、口に入れた瞬間のはじける甘さが特徴です。熟す時を見極めるのが難しいですが、わが子のように見守ることで、完熟時に収穫できています。
西尾の農業は、1年を通していろいろな作物を栽培できるのが強み。これは他の地域にはない特徴なので、誇りに思い、そして守り継いでいきたいと思っています。西尾市だけでなく、全国的にも農業の後継者不足が悩みの種ですが、一歩踏み出して農業の世界に飛び込んでくれる人が少しでも増えるとうれしいです。
【Voice of farmers (2)】羽佐田トラクター 羽佐田さん

◎農業は地域の風景を作っている。
だからこそ、次につなげたい。
大学卒業後、本格的に就農し、5年ほど経ったころ、肥料の管理を任されました。米を少しでも多く収穫したいと、気持ちが先走った結果、肥料の配分を間違えてしまい、ほとんどの米がだめに。落ち込みましたが「失敗は仕方がない。いつかは成功につながる」と父が励ましてくれたおかげで、今でも失敗を恐れずに農業を続けられています。
米だけでなく、小麦も育てており「にしお小麦」を新たな地域ブランドにするべく、日々奮闘しています。地域ブランド化することで、農業に活気が生まれ、さらなる発展を遂げられると考えます。また、観光イベントなどと絡めて農業体験を行い、市民の方はもちろん、市外の人も西尾の農業に触れて欲しいです。
市内に広がる田んぼや畑は、西尾の風景を作っていると感じています。農業がなければ、その風景が消えてしまうだけでなく、私たちの食や生活にも影響を及ぼす可能性も。市民の皆さんには、農業がある大切さを少しでも理解して、支えてもらえたらうれしいです。
■作る
先人たちが守り継いできた西尾の農業を、守り続けたい。
そんな思いを持って、生産者として直接農業に関わる方法もあります。
全国的に農業従事者は年々減っているのが現状。農林水産省が農林業の生産構造や就業構造を5年ごとに調査する「農林業センサス2020」では、前回調査より22%も農業従事者が減少している結果が出ています。数十年後、さらに農業従事者が減るという予測もあり、西尾市も例外ではありません。
▽専業農家を目指す
そのような中、新規就農者を増やそうと、新たな取り組みも始まっています。その一つが、JA西三河が行っている「いちごスクール(令和元年度)」「いちじくスクール(平成27年度)」。栽培技術などを習得する実務指導から、経営研修・農地取得・補助金申請・施設の相談まで行い、専業農家を育成しています。これまでに、いちごスクールでは19人、いちじくスクールでは51人が卒業し、新たに農業の道を歩んでいます。

▽産直農家を目指す
また、市内の産直施設での販売農家を目指し「にしお農業塾」も開設されています。農地の所有に関わらず、自分で栽培した野菜を産直や市場などに出荷したい人を対象に募集。塾生は1年間で、座学や農地での実習を行い、露地野菜栽培の知識を習得できます。定年後の新たな道として販売農家を目指す人もおり、農業の道に進んでみたいという人におすすめです。
▽農業への道
実際に農業を始める最初の一歩を踏み出すのはためらいがち。
しかし、もしチャレンジしたい気持ちがあれば農業が盛んな西尾市だからこそ始めるきっかけがいくつもあるのです。20代で仕事を辞め、農業の道に進んだデルフィニウム農家の長谷さんは「一歩踏み出せたことで、今がある。農業に携われて良かった」と誇らしげです。
《いちごスクールの塾生募集》
対象:満18歳以上で、施設栽培いちごの生産者として就農意思が明確かつ市内で就農し、JA西三河いちご部会に加入できる方
定員:若干名(選考)
研修期間:9年6月~10年5月の1年間
申込・問合先:4/1(水)~9/30(水)までに、申込書をJA西三河指導販売課(【電話】56・5272)へ。申込書は本紙6ページ掲載のコードまたはJA本店、支店窓口で入手可

◎本気の挑戦を支えるいちごスクール
東京で会社員をしていましたが、何かを自分の手で作りたいと一念発起し、いちごスクールに入塾しました。主体的に取り組む姿勢があれば、それを後押しする体制が整っているため、前知識もありませんでしたが、イチゴ作りの基礎が学べました。
農業は一筋縄ではいかないもの。ですが、農家になりたい熱い気持ちと覚悟があれば、本気の挑戦を後押ししてくれます。一緒に西尾の農業を守り続けていきたいですね。

いちごスクール卒業生
石原さん
