くらし 市民病院発 ほのか診察室 203話

■廃用症候群を予防するために
監修 市民病院 3階病棟

廃用症候群とは、病気やケガなどで体を動かせない状態が続くことによって起こる身体機能の低下のさまざまな症状の総称です。

◇原因と症状
特に高齢者では、知らない間に進行し、気づいた時には「自分で起きあがれない・歩けない」などの状況が少なくありません。
過度な安静や、体を動かさなくなると、筋肉が痩せて衰え、関節の動きが悪くなります。このことがさらに活動性を低下させ、ますます身体機能に悪影響(起立性低血圧、静脈血栓症、肺炎、むくみ、褥瘡、抑うつ、食欲不振、便秘など)をもたらします。

◇予防とケア
治療を必要とする疾患によって、安静臥床(がしょう)を余儀なくされる状況もあります。廃用症候群を予防する為には、できるだけ寝た状態を継続させないようにします。
・体を動かす機会をつくりましょう。ベッドの上で手や足を動かす運動や、座っている時間を増やしたり、可能な範囲で立ったり、歩いたりしてみましょう。日常生活そのものがリハビリテーションになります。
・人との関わりが薄れないよう、言葉をかけ会話することや、気分転換を図りましょう。
・栄養バランスの良い食事を摂りましょう。魚や野菜、大豆製品、海藻などを使う和食などをおすすめします。食べられない時は栄養補助食品も使いながら、少しずつ栄養を摂っていきましょう。

高齢者が廃用症候群になると、元の状態まで改善するのに時間を要します。無理のない範囲で体を動かし、会話を楽しみ、食事を楽しみましょう。

問合せ:市民病院(代表)
【電話】22-2171
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