- 発行日 :
- 自治体名 : 愛知県大府市
- 広報紙名 : 広報おおぶ 2025年12月1日号
■市民とつながる
◆Obu Fairtrade Coffee 制作プロジェクト
年齢や性別を問わず、多くの人に親しまれるコーヒー。
身近なものからフェアトレードを知ってほしい。
そんな思いから生まれたのが、市オリジナルのドリップバッグコーヒー「Obu Fairtrade Coffee」です。
○「市民参加型の試飲会を開催」
大府駅東多目的スペースと市役所で、北林さんが厳選した2種類のコーヒーを約200人の市民が試飲し、好みの味に投票しました。
〔INTERVIEW〕 北林貴予さん
僅差で東ティモール産の豆をメインにしたブレンドに決まりました。いろいろな世代の方が、飲み比べながら産地や作り手にも関心を持ってくれて。
皆さんが真剣に選んでくれたことが、うれしかったです。
○パラアーティストのすてきなデザイン
コーヒーのパッケージには、パラアーティストの山下賢志さんの『ミドリオナガドリとアロエの花』と、岩堀里美さんの『魚をたくさんたべた猫』の2点の絵画を採用。美術の祭典「パラアートおおぶ2024」で展示されたものの中から、世界観や色使いがすてきな作品を選びました。
〔INTERVIEW〕 作者・山下賢志さんの母 山下智子さん
多くの方に作品を見てもらえてうれしいです。本人が商品のパッケージを眺めて、とても喜んでいたことが何より。創作活動を続けてきたからこそ、今回のようなご縁が生まれました。たくさんの人にほめられ、人とのつながりが広がる中で、少しずつ自信がついてきていると感じます。
■地域に根差す フェアトレードマルシェ
食品・雑貨など多様な団体が出店するフェアトレードマルシェ。始まった2年前はわずかな店舗数でしたが、徐々に輪が広がり、現在では年2回、18店舗が集う一大イベントへと成長しています。
〔INTERVIEW〕 つむぎてや 杉山修一さん
市民グループをはじめ、学生の活動紹介やワークショップなど、多様な団体が集まり、にぎやかなマルシェでした。買い物だけではない、人や思いがつながる場になっていて、温かい一体感を生んでいました。
■次世代へつなぐ フェアトレードワークショップ
国際交流協会と連携した中学生向けのフェアトレードワークショップ。
コーヒーを例に、産地から消費者に届くまでのストーリーを聞き、自分で豆をひいて、ラベルを描いた世界に1つだけのドリップバッグを作りました。
児玉希さん 國澤胡音さん
フェアトレードという言葉を初めて知りました。コーヒーの産地で課題になっている生産や環境の問題についても学べました。家族と一緒にコーヒーを飲みながら、今日学んだことを話してみたいと思います。
〔INTERVIEW〕 平見舞子さん
身近な商品が店に並ぶまでに、どんな道のりをたどっているのか。自分が商品を手に取るとき、それが未来にとって良い選択なのか。物を購入する際の新しい視点を知ってもらえました。今後は、こどもたちが「やってみたい」と思ったときに、一緒に挑戦できる機会をつくりたいです。みんなの夢に寄り添いながら、共に歩んでいけたらと思います。
■企業とつながる
◆KIYOMIZU GLOBAL BUSINESS(株)(宮内町)
○「現地の努力を形にして、継続させたい」
フィリピンの小さな農場「JaLees Farms(ジャリースファーム)」で作られたヒラタケをココナッツオイルで揚げたスナック菓子。栽培から加工・販売まで一貫して行う企業努力に感銘を受け、直接買い付けて日本で販路を開拓しています。
「名古屋のイベントで委員会と出会い、彼女たちのマルシェに出品するようになりました。実は営業に必死で、フェアトレードという意識はほとんどなかったんです。フィリピンの農場を直接見て、『この商品をなんとか日本で売って、事業を継続してほしい』と。これはフェアトレードの本質だったんですね。委員会との出会いで答え合わせができました」。
谷陽さん
◆白いオリーブ(桃山町)
○「オリーブを通して、共に成長」
知多半島でオリーブを栽培し、自主製品の開発・販売をしています。
「名古屋のマルシェで、設立直後の委員会と知り合いました。市内でマルシェを開きたいという相談を受け、店舗の駐車場を使ってもらいました。頼ってもらえたことがうれしくて。コーヒーやアクセサリーなど、委員会とのコラボ商品もいろいろ生まれました。応援する企業というよりも、高め合う仲間ですね。近くで見守り、支え合える関係をこれからも大切にしていきたいです」。
亀山絵美さん
◆愛三工業(株)(共和町)
○「ものづくりの会社だからこそ、顔の見える商品を」
自動車部品製造の大手企業、愛三工業(株)。ここでは、月に一度、従業員約2000人を対象に、市内農家の野菜を販売する「愛三マルシェ」を開催しています。市の事業に参加した従業員が、生産者の声を直接聞き、地産地消に貢献したいという思いから始まりました。11月からは、ここに「Obu Fairtrade Coffee」も登場しています。
「愛三マルシェは、社員と生産者をつなげるこだわりの企画です。お互いに顔の見える関係を大切にしているからこそ、手に取りやすく、安心してもらえたのだと思います」。
中根英登さん
■自治体とつながる
◆フェアトレードタウン認定に向けて始動
2025年6月の議会で、会派を越えた全議員が、フェアトレードの理念を尊重し推進することを決議。翌月には、岡村市長が委員会と共に「健康都市おおぶフェアトレード宣言」を行いました。
委員会は、市や議会と連携し、まちを挙げて格差のない社会の実現に向かう「フェアトレードタウン認定」を目指します。
○「大府のママたち、全国へ」
委員会は「フェアトレード全国フォーラム2025」に招待され、「日本8番目のフェアトレードタウン認定に一番近い愛知県大府市の子育てママたち」として、代表の平見さんが登壇。これまでの活動実績と市内での取り組みを発表しました。
同じ思いを持つ全国の仲間たちとの交流が広がっています。
◆母たちが主導し、まちがつながるのは大府市ならでは
国内の認定に関わり、多くのまちを見てきました。日本でフェアトレードの取り組みが広がっている地域では、市民活動が盛んなことが共通しています。ただ、行政や企業、多くの市民と思いを一つにするのは難しく、認定の手前で立ち止まるまちも少なくありません。その中で大府市は、ママさんたちが中心となり、周りがそれを真正面から応える形で活動の輪を広げています。これは他の地域には例がありません。どんな立場からでも声が届き広がるまちの風土は、大きな誇りだと思います。
一般社団法人日本フェアトレード・フォーラム 顧問 渡辺龍也さん
