文化 歩いて発見。津の魅力 歴史散歩~津城かわら版〔222〕

■津城かわら版(11) 廃城後の津城[3] 津城跡(お城公園)の緑
「水明らけき 津の都市(みやこ) 城址(じょうし)のほとり 松青く」
藩校有造館の流れをくむ養正小学校の校歌で歌われるように、津城跡の石垣上の松が堀の水面に映える風景は、津城跡の原風景になっています。
市民にとっても、すっかり定着している石垣上の松ですが、城として機能していた江戸時代には、ここに櫓(やぐら)があり、松の植栽はありませんでした。 
では、石垣上の松はいつからあるのでしょうか。戦前の昭和10(1935)年頃の写真には、ハスに覆われた内堀の様子と、石垣上に成長した松の姿が見えます。90年ほど前にはすでに松の木が今と同じような状態だったと考えられます。
明確な植栽記録はありませんが、これらの松は明治18(1885)年に石垣上の櫓が撤去された後、あまり間を置かずに植えられたと考えられます。実際に石垣上に立つと、松の木が直線的に並んでいる様子が分かります。
本丸に限らず、石垣上の樹木の根の成長は、地震や台風などの災害時に石垣崩壊の原因にもなりかねません。中には樹勢が衰えた木もあり、枝の落下の危険性もあることから、適切な管理が必要です。また、本丸内の噴水広場の周囲にはさまざまな樹木があり、春の桜や秋の紅葉など、季節ごとに公園を訪れる人の目を楽しませてくれますが、近年は樹木の成長による過密化や、飛来するカラスのふん害などの新たな課題も生じています。
県史跡としての津城跡と、中心市街地の都市公園であるお城公園には、その歴史の中で育まれてきた風景と、公園整備によって親しまれてきた空間が同居しています。市民の皆さんに、より身近に感じてもらえる場所として、これらの樹木の管理をはじめ、適切な対応を検討しています。
※画像など詳しくは本紙をご覧ください。

「津城跡」に関する市民の皆さんのご意見を受け付けています。詳しくは市ホームページをご覧ください。