くらし きらり四日市人 Vol.154

認知症の当事者や家族に寄り添うボランティア「認知症フレンズ」会長
渡辺司郎さん

認知症の当事者や家族と支え合いながら仲間や友達のように歩むボランティア「認知症フレンズ」(以下、フレンズ)。会長の渡辺司郎さんは、認知症当事者(以下、当事者)の意思を大切にし、やりたいことが実現できるようさまざまな活動をしています。当事者や家族が地域で孤立しないため、認知症への理解の輪を広げ、当事者らに寄り添う社会のあり方についてお聞きしました。

◆寄り添い、信頼関係を築く大切さ
民生委員をしていた8年前、認知症サポーター養成講座を受講したのをきっかけに、フレンズの一員として活動を始めました。
ある日、当事者がトラブルに巻き込まれ困惑していたことがありました。その人とは何度も顔を合わせたことがあったため、私の顔を見ると安心した様子で、ほっとした表情を見せてくれました。
また、認知症カフェで出会った男性介護者がぽつんと一人でいたので話しかけると、とても喜ばれました。そんな経験から、当事者や家族と日ごろから心を通わせ、気持ちに寄り添い、信頼関係を築けるように心掛けて活動しています。

◆当事者の想いを通じてみんながつながる
昨年、フレンズの活動でうれしい出来事がありました。それは、当事者の一人が何気なく話した「歌手で俳優の松平健さんのヒット曲『マツケンサンバ』を披露したい」という夢を、9月に開催された認知症市民公開講座で実現できたことです。当事者の「やってみたい!」の声に、フレンズの仲間や当事者の家族、支援者が賛同し、皆で一緒に、楽しみながら練習を重ねました。当日の発表は大盛況で、共感の輪が広がったことを実感できました。
また、この活動を知った松平さんから直筆のサイン色紙が届き、一同大喜びしました。

◆安心できる居場所を一緒に作って一緒に楽しむ
フレンズの活動は、介護予防等拠点施設「ステップ四日市」を拠点にしています。フレンズと当事者が「園芸・畑班」や「認知症カフェ班」など五つの班に分かれ、楽しみながら交流しています。
認知症の診断は、本人にも家族にも大きな衝撃をもたらします。しかし認知症になると「何もできなくなる」わけではありません。私たちフレンズは、当事者が好きなことを続けられるよう、安心できる居場所を一緒に作り、一緒に楽しみたいと思っています。そういう活動が地域にも根付いてくれることを願いながら、これからも当事者の尊厳を大切にする取り組みを続けていきたいです。

◎1月放送のCTY-FM「よっかいち わいわい人探訪!」でも紹介します。(放送時間は裏表紙へ)