くらし きらり四日市人 Vol.152

四日市地区薬物乱用防止指導員
薬剤師 青木一徳(かずのり)さん
10・11月は「麻薬・覚醒剤・大麻乱用防止運動」期間です。青木一徳さんは、薬剤師として働く傍ら「薬物乱用防止指導員」として、小・中学校での薬物乱用防止教室などを通じて医薬品の正しい使い方や薬物依存の怖さを伝えています。また、薬の専門家として、調剤業務や健康相談を通じて地域住民の健康もサポートしています。

■学校の環境衛生やこどもたちの健康を守る
年に10回以上、学校薬剤師として、学校環境衛生に関わる検査や助言、保健管理を行い、こどもたちの安全で快適な学校生活を、薬学的な立場から支えています。
具体的には、教室の空気環境、教室の明るさ、飲料水やプールの水質などの検査をします。最近では、将来の健康管理に役立ててもらうために、中学3年生の希望者を対象に学校検尿を用いたピロリ菌の検査も実施しています。

■若者の心に寄り添う教育
ここ数年、風邪薬やせき止めなどの市販薬を本来の用途から外れて一度に大量に服用する行為「オーバードーズ」が、一部の若者の間で広まり、社会問題となっています。たとえ市販薬であっても、用法・用量を守らずに服用すれば依存症や健康被害を引き起こします。市内の繁華街でも、薬の空き箱が大量に捨ててあるなどの形跡が見つかっており、身近にも起っている問題です。
問題の背景には、コロナ禍などをきっかけにコミュニケーション不足が進み、孤独感やつらい気持ちを抱える若者が悩みを打ち明けられず、不安やストレスから逃れたい思いで薬に頼ってしまうことが考えられます。
近年は薬物乱用の怖さだけを伝えるのではなく、悩みを抱える若者に寄り添う教育が必要とされています。薬物乱用防止教室などを通じて、薬物に手を出してしまう前に、自らが抱える悩みなどを打ち明け、相談できる環境を作ることの大切さを訴えています。

■誰もが気楽に立ち寄れる薬局を目指して
薬の専門家として、患者はもちろん地域の皆さんの話に耳を傾け、関係機関と連携し、必要な支援につなげることにも重きを置いています。また、積極的に薬物乱用防止セミナーなどに参加し、日々研さんを積んでいます。私たちは「誰もが気軽に立ち寄れる薬局」を目指し、地域の皆さんの役に立つことができればと考えています。

◎11月放送のCTY-FM「よっかいちわいわい人探訪!」でも紹介します。