くらし 特集 気候変動対策 暑い夏と災害に備える(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県伊勢市
- 広報紙名 : 広報いせ 令和7年6月1日号
近年、世界中で集中豪雨や干ばつ、熱波などの異常気象による災害がさまざまな形で発生しており、これらは地球温暖化が原因の一つと考えられています。
国内で、気温の上昇や大雨の頻度の増加、農作物の品質低下、熱中症リスクの増加など、気候変動の影響は既に現れており、さらに今後、長期にわたるおそれがあります。
■気候変動対策は、「緩和」と「適応」の両輪
気候変動への対応策として「緩和」と「適応」の2つの手法が求められています。
「緩和策」は、温室効果ガスの排出削減を目指し、地球温暖化の原因を抑制することに焦点を当てています。これには、再生可能エネルギーの利用促進や省エネルギーの取り組み、森林保護などが含まれます。
一方で、「適応策」は、既に進行している気候変動の影響に対して社会や生活を適応させることを目指しています。これには、農作物の品種改良や栽培方法の工夫、熱中症予防、自然災害への備えが含まれます。
気候変動の影響は私たちの社会に深刻な影響を及ぼすため、「緩和」と「適応」の両輪で気候変動の課題に社会全体で取り組むことが今求められています。
■伊勢市環境基本計画を改定
令和7年3月に、社会情勢の変化などに対応するため、気候変動・脱炭素・生物多様性などの取り組みを見直し、計画を改定しました。
■気候変動がもたらす私たちの生活への影響とは
気候変動は地球規模で進行しており、その影響は私たちの日常生活に多岐にわたって現れています。その中でも、食生活に関係する農業・健康面・自然災害などの分野は私たちの生活に大きく影響します。具体的にどのような影響が出ているか見てみましょう。
影響(1) 農作物への影響
水稲では高温と干ばつが発生すると玄米が白く濁る白未熟粒が多発し、品質に多大な影響がでます。
そのほか、秋冬露地野菜(屋外で育てる野菜)や果樹は、水不足で枯死したり、果実の肥大が進まず小玉傾向となるなどの影響があります。
また、害虫についても、気温上昇による越冬個体数の増加や発生期間の長期化などが原因となり、防除対策回数の増加など、生産者の負担も大きくなっています。
影響(2) 健康面への影響
熱中症は、これまでは高温の環境で働く人や、運動する人に多く発生していましたが、気候変動による影響により、近年、日常的な室内の環境下でも起こりやすくなってきています。
国内での熱中症による死者数は増加傾向にあり、近年は1,000人を超えて自然災害による死者数を上回る年が続いています。中でも熱中症死亡総数に占める65歳以上の高齢者の割合が増えており、2020年には死亡総数の87%を65歳以上の人が占めています。
影響(3) 災害への影響
気候変動に伴う大雨の発生頻度の増加や、大雨の頻発地域の拡大、一回一回の大雨の広範囲化などは、河川氾濫による洪水被害や、がけ崩れ・土石流・地すべりといった土砂災害の発生頻度の増加、規模の増大などをもたらします。
また、強い台風の増加などによって高波のリスクが増大すると予測されています。
私たちにできることは何か。専門家に聞いてみました!P4・5へ!
問合せ:環境課
【電話】21-5540【FAX】21-5522