その他 海中さんぽ

■ケンサキイカ
ケンサキイカはツツイカ目ヤリイカ科のイカで、太平洋中部以南、日本海西部以南、西太平洋に分布しています。胴と鰭(ひれ)の形が剣の先に似ていることから、ケンサキイカと言われていますが、槍の先に似ていることから名のついたヤリイカに姿がよく似ており、ケンサキイカは触腕(しょくわん)と呼ばれる餌を取る際に使う2本の腕が他の腕に比べて長いのに対し、ヤリイカの触腕は他の腕とあまり変わらないほど短いのが両者を見分けるポイントです。生きている時は透明であったり興奮して赤くなったりと体をさまざまな色に変え、漁獲直後の極めて鮮度の高い時は透明で、徐々に鮮やかな赤色になっていきます。そして更に鮮度の低下にしたがって白くなっていきます。このため、尾鷲ではアカイカと呼ばれますが、他の地方ではシロイカと呼ぶところもあります。
近年では、疑似餌(ぎじえ)を使った船からの夜釣りが人気です。当地では主に定置網や釣りで漁獲されます。産卵は潮通しの良い砂地で、150~300個程度の多数の卵が入った20cm程度の長細い袋を100前後固めて産み付けます。海藻やヒノキ間伐材の産卵床に6個程度の卵が入った袋を固めて産み付けるアオリイカとは異なる産卵の方法です。
アオリイカやヤリイカに並ぶ高級イカであり、イカの中で最も旨み成分が多いアオリイカの次にアカイカの旨み成分は多く、身が柔らかく甘みが強いため、アオリイカよりも美味しいという人は多いように思います。