- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県いなべ市
- 広報紙名 : いなべ市情報誌 Link 2025年6月号(vol.259)
▼太陽光発電を導入する事業者の声
補助金制度を活用し、脱炭素に取り組む市内企業を紹介します。
▽太陽光パネル100kW
株式会社フジ技研 経営企画部 主任 和波智広さん
〇既存スペースを活かし景観も守る
フジ技研では、新規工場棟に100kWの太陽光パネルを導入しました。技術進歩と価格低下が進む今は、手に入るタイミングで段階的に設置していくのが現実的。今回は約7年で投資回収を見込んでおり、事業者はこうした投資機会を補助金を活用しながら判断していくことも大切かと思います。
土地を造成する大規模な工事をしなくても、工場や店舗の屋根、来客用カーポートなど既存スペースにパネルを載せれば、費用も抑えられる上に景観にも影響を与えません。パネルが日射を遮るので、夏は建物内が涼しくなり、空調の電力も削減できるのもメリットですね。
〇電気代を“先払い”の感覚
当社では設置スペースの関係で蓄電池は置いていませんが、日中に発電した電気を自家消費することで電力ピークを下げ、基本料金を抑えています。最初にかかる設置費用は、まさに「電気代を先払いした」感覚です。
事業規模にもよりますが、太陽光パネルと蓄電池の組み合わせは、照明やパソコン機器などの非常用電力として機能します。また、条件によっては即時償却などの税制面での優遇も期待できます。電力コストの削減と災害時の事業継続を同時に支えるという観点でも導入を検討してみてもいいかもしれません。
▽太陽光パネル42kW+蓄電池90kWh
藤原中学校 校長 東松孝
〇SDGsという観点での太陽光発電
藤原中学校では3年間かけてWAVES(ウェイブズ)学習に取り組んでいます。この学習はSDGsの視点から、地域に学び、将来の生き方、持続可能な社会づくりに、自らが出来ることを考え、実行に移す力を身に付けることを目標とした学習です。
「学校は子どもたちと地域の大切な拠り所」であり、太陽光発電設備の設置は、CO2削減につながるだけでなく、災害時の指定避難所としての機能を強化することができます。
皆に等しく与えられる太陽という自然の恵みを生かした地産地消のエネルギーの可能性を、校舎の屋上に設置された太陽光発電設備を通して、未来を見つめ、活躍する子どもたちに育ってほしいと願っています。
▼「再エネ・省エネ補助金」の案内
▽再エネ
(例)一般的な個人宅に太陽光パネル(5.0kW)と蓄電池(10kWh)を設置した場合、補助金額は35万円(太陽光パネル)+47万円(蓄電池)=82万円
▽省エネ
窓の断熱改修:最大120万円/件 経費の1/3、玄関ドアの入れ替えは5万円上限
・断熱改修工事のため、高性能建材(樹脂窓、二重ペアガラスなど)の窓に替える際の建築材料費および工事費(消費税を除く)が補助対象費用です。
・対象製品一覧は、いなべ市HPから詳細が確認できます。
▽省エネ
ZEH住宅の新築:最大55万円/件 1人につき1回を限度
※NetZeroEnergyHouseの略。年間のエネルギー消費量をゼロ以下にする住宅を指します。
再エネ・省エネを活用することで、脱炭素に取り組みつつ、節約や防災面でのメリットを受けられます。みなさんもぜひ市の補助金の利用を検討してみませんか。
問合せ:環境政策課
【電話】86-7812