健康 上野総合市民病院だより

◆市民病院での細胞培養検査について
臨床検査課では、検体検査や生理検査などの検査を実施しています。その中で、細菌培養検査について紹介します。
感染症を引き起こす原因には、細菌・真菌(しんきん)(カビ)などの微生物やウイルスなどがあり、細菌培養検査では細菌や真菌による感染症を調べています。検査の目的は、感染症の原因と考えられる菌を特定し、治療に適した薬が何であるかを調べることです。
検査では、まず感染症の疑いがある患者さんから検体(喀痰(かくたん)、尿、便、膿(うみ)、血液など)を採取します。通常、検体に含まれる細菌はとても少ないので、そのままでは感染症の原因を特定することは困難です。そのため、採取した検体を培地(ばいち)(菌が増殖するのに必要な成分を含んだ寒天など)に塗り、菌の発育に適した環境で1日から数日かけて菌を培養します。すると、菌が増殖して培地上にコロニー(目に見える塊)ができます。そして、発育したコロニーの形や色を観察し、さまざまな検査を行うことで菌を特定していきます。検査結果は、数日で出ることが多いですが、菌の種類によっては数週間かかることもあります。
当院では、少しでも早く検査結果を出して患者さんの治療に役立てられるよう、スタッフが連携して検査を実施しています。
(臨床検査課 宮本 都和)