子育て 子育て支援だより

「子育てワンポイントアドバイス」
第229回 『感覚の多様性・・・人の感じ方は十人十色』
こころの相談員 前田 里美

視覚・聴覚・嗅覚・味覚など、視力や聴力などでは測れない敏感さや鈍感さというものがあります。人は同じものを見聞きした時、他の人も自分と同じように見えている・感じていると思っていますが、誰一人として同じように見えたり感じたりすることはないのかもしれません。
『色覚異常』は男性に頻度が高く、多くの人とは違い複数の色が同じに見えることがあります。『パクチー遺伝子』というのがあり、ある特定の遺伝子の配列を持つ人はパクチーが石鹸のような味に感じるそうです。ピーマンなどの野菜でも、味の感じ方に生まれつきの体質が大きく関わっていることが明らかになってきました。
また、ある音を聞いた時に特定の色が見えたりイメージが浮かんだり、あるいは特定の文字や単語、数字と色が結びつく人が稀にいます。これは『共感覚』と呼ばれています。
感覚の問題は対人関係にも影響を及ぼします。例えば普通なら気にならない教室の騒音も、学校が嫌いで友だちと関係が悪いと耐えがたくうるさく感じたりします。感覚だけでなく、自分が普通だと思っていることが本当は少数派かもしれません。
感じ方は人それぞれで、他人の感じ方はわからないからこそ想像力が大切なのではないでしょうか。

※前田相談員は、あさひ園・小学校・中学校などで相談活動を行っています。

■9・10月の子育て支援事業

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