- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県朝日町
- 広報紙名 : 広報あさひ NO.728(令和7年11月号)
■11月9日から11月15日は「全国糖尿病週間」
~糖尿病の重症化予防にむけて~
朝日町では公益社団法人四日市医師会のご協力を得て、健診の奨励や糖尿病の重症化予防に向けた医療機関への受診勧奨等をおこなっております。
今回は『糖尿病と血管病変』についてお伝えします。
◇四日市医師会糖尿病対策委員会 担当理事 医師 吉田康史さん
皆さんは、糖尿病は血糖値が上昇する病気と理解されていることと思います。これは正しいことではありますが、血糖値が高くなってもほとんど症状は見られません。では何が糖尿病を怖い病気にしているのでしょうか。それは血糖値が高くなることで、血管の老化現象を引き起こし、様々な症状を来たしているのです。
太い血管に問題が起こると、脳梗塞や心筋梗塞になります。単純に比較すると糖尿病の人は健常人の約3.5倍起こしやすいといわれています。また細い血管に問題が起こると、腎症や網膜症になります。
わずかな変化も含めると、糖尿病の患者さんの約半数に見られています。
しかし、これらの変化は血糖値の影響を受けているため、糖尿病のコントロールをよくすることで進行を抑えることが出来るのです。
糖尿病と言われたら、症状がなくても血糖値のコントロールが大切です。
■11月14日は「世界糖尿病デー」
◇糖尿病とは?
糖尿病は、血糖値が慢性的に高くなる病気で、放置すると心臓病や腎臓病、視力障害などの合併症につながることがあります。初期には自覚症状が少ないため、定期的な健康診断が重要です。
糖尿病のリスクは、健診でわかる数値からも見えてきます。以下の項目は、特に注意が必要な指標です。
◇糖尿病リスクを示す数値の目安
(参考:メタボリックシンドロームに着目した「特定健康診査」における保健指導・受診勧奨判定値)
[空腹時血糖値]
正常:109mg/dL以下
注意:110~125mg/dL糖尿病予備群)
要受診:126mg/dL以上(糖尿病型)
[HbA1c(ヘモグロビンA1c)]
正常:5.5%以下
注意:5.6~6.4%(予備群)
要受診:6.5%以上(糖尿病型)
※HbA1cは、過去1~2ヶ月の平均血糖値を反映する指標です。6.0%を超えると、生活習慣の見直しが必要です。
◇予防のカギは生活習慣改善
糖尿病の予防には、日々の暮らしの工夫が欠かせません。
食事:野菜・魚・豆類・全粒穀物を意識し、甘味・脂質は控えめに
運動:毎日30分のウォーキング。買い物ついでに遠回りするなど、日常の中で「動く」工夫を
体重管理:特にお腹まわりに注意
睡眠とストレス管理:睡眠は6~8時間を目安に。
◇趣味や会話で気分転換を
禁煙と節酒:喫煙は糖尿病リスクを高めます。週2回の休肝日もおすすめ
※上記は一般的な推奨であり、治療中の方は主治医の指示を優先してください。
◇健診をきっかけに健康づくりを
世界糖尿病デーを機に、ぜひ健診を受けてご自身の健康状態を確認しましょう。日々の小さな積み重ねが、将来の健康につながります。
[出典・参考]
・国際糖尿病連合(IDF)「IDF Diabetes Atlas 2024」
・世界保健機関(WHO)Diabetes Fact Sheets
・厚生労働省「特定健康診査・特定保健指導」
