- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県朝日町
- 広報紙名 : 広報あさひ NO.728(令和7年11月号)
~令和7年度全国学力・学習状況調査の結果分析より~
今年4月に小学校6年生・中学校3年生を対象に行われた「全国学力・学習状況調査」の結果・分析と今後の取組をお伝えします。今年度も、どの教科(国語、算数・数学、理科)においても、きわめて良好な結果となりました。朝日町教育委員会では、今回の結果から分かる児童生徒の「強み」と「弱み」の分析を行いました。この調査結果を生かして、本調査で測られる一部の学力だけでなく、厳しく予測困難な社会のなかでも未来を切り拓いて生きていく力=「人間力」を総合的に涵養できるよう、具体的な施策に反映していきます。保護者・地域の皆様には、家庭学習や生活習慣の見直しに向けてご協力をお願いいたします。
【調査結果】平均正答率・IRTスコア(中学校理科)を全国結果と比較したもの

〈小学生〉
【国語】 情報を活用した記述力はありましたが、端的に表現することに課題が見られました。
【算数】 論理的思考力が育っている一方で、図形や単位分数の記述に苦手意識がある児童が多く見受けられました。【理科】 根拠をもって考える力が育っているものの、好き・得意意識に二極化傾向が見られました。
〈中学生〉
【国語】 文章構成・表現力・推敲力が全国平均を大きく上回りました。
【数学】 相対度数や文字式の理解、問題解決力が非常に高く、論理的な思考力が育っていました。
【理科】 「粒子」「地球」分野で高得点を獲得し、根拠を示す力が着実に育っていることが分かりました。
◆児童生徒質問紙から 学習状況や生活習慣について
〈小学生〉
「ウェルビーイング(よりよく生きること)」について、自信をもって回答できない、あるいは自分自身を過小評価している傾向があり、全国平均を下回る項目が多い結果となりました。「幸せな気持ち」とはどんなことなのか具体的に説明して理解できるようにするとともに、「こんな時は幸せな気持ちになるよね。」など、共感をもって子どもたちに声をかけていきます。また、普段の授業で行っている「話の組立てなどを工夫して発表しているとき」や、「自分の考えをまとめる活動をしているとき」に、目指す姿はどんな姿か、また、それらを目指す過程の児童の姿を個別に適切に評価していきます。
また、学習環境が整っている家庭が多いものの、朝食欠食や起床・就寝時刻の乱れが少しずつ増えています。睡眠の重要性や、メディアの健康的な利用などについての学習を継続するとともに、よりよい生活習慣を送ることができるよう、ご家庭でもご協力をお願いいたします。
〈中学生〉
ウェルビーイングにかかわるすべての項目で全国平均を上回る結果となりました。自己肯定感や社会貢献意識が高まっていることが確認されました。これらの意識の向上が、学力にも好影響を与えていると考えられます。学習を通じて、できないことができるようになる達成感や喜び、仲間との関係性の親密化、学ぶ意義を感じることで、誰かに評価されるためだけではなく、自ら学ぶことを楽しむ学習環境の整備に努めていきます。
