子育て 子どもたちの「人間力」向上にむけて(2)

◆学力と学習状況・生活習慣の関連について

(1)教育委員会がすすめていくこと 「ICT環境の整備によるできる!の実感」
→ 「ICTを効果的に活用できている」と回答した児童生徒は、正答率・スコアが高い傾向でした。

朝日町では、全国に先駆けてICT端末の整備を進め、活用を図ってきました。ICT環境の整備によって、これまで書字が苦手だった児童生徒が取り組みやすくなったり、児童生徒への視覚支援が行いやすくなったりと、多様な学習ニーズに応えることができるようになりました。今後も、生成AI等の新しい技術の発展が見込まれ、教育を取り巻く環境は大きく変化していくことが予想されます。こうした社会情勢にあっても、児童生徒が取り残されることなくICTを効果的に活用し、自信をもって学びに向かうことができるよう、今後も必要に応じてICT環境の整備を進めていきます。また、適切な研修会を企画し、現場の先生方の支援体制を充実していきます。

(2)保護者の方と協力してすすめていくこと 「やればできる!を実感できる学習習慣の確立」
→ 学習習慣について、小学生は、家庭学習の時間が長い方が正答率・スコアが高い傾向でした。中学生は、休日については小学生と同様ですが、平日は30分を下回ると正答率・スコアが低くなる傾向がありました。

たくさんやればよいというわけではなく、限られた時間の中で、継続して学習を続けることが大切なようです。また、「自分はできる」という自己肯定感が高い方が学びに向かう力を高める傾向がありました。これらのことから、「自分が努力したらできる」というレベルの課題設定を行い、家庭学習を進めることが大切であると考えられます。「宿題をやりなさい」ではなく、「今日は何をがんばるの?」と尋ねていただき、自ら課題設定ができる声かけをお願いします。また、学習後も、できたこと・できなかったことを児童生徒自身で振り返ることができるような声かけをお願いします。このように、自己調整をして学習を進めること自体にモチベーションが湧くような学習の支援をお願いします。

(3)地域の方と協力してすすめていくこと 「社会に出た自分をイメージできるキャリア教育」
→ 中学校では、自己実現や社会貢献意識の高まりが、各教科の正答率・スコアを高める傾向にありました。

義務教育修了後の進路選択を見据えたキャリア意識の高まりとの関連が深いことが考えられます。すべての児童生徒が自信をもって自らの人生を切り拓いていけるよう、今後もキャリア教育の充実を図ります。地域の方には、日頃より、職場体験の受け入れや、ゲストティーチャーの要請、町における各種行事への児童生徒の参加、社会科の郷土研究や理科の科学展などの自主的な活動への協力をいただいています。児童生徒が社会とリアルにかかわる機会が少なくなった現代だからこそ、こうした地域との関わりの一つ一つが貴重な機会となっています。今後も児童生徒の社会との関わりを充実させ、児童生徒の「人間力」の涵養にご理解・ご協力をよろしくお願いします。

(4)児童生徒のみなさんに取り組んでほしいこと 「自分の力を信じて粘り強く!」
→ 粘り強く取り組んだ児童生徒の方が、正答率・スコアが高い傾向でした。

私たち教育委員会は、みなさんがよりよい未来を切り拓くことができる「人間力」をどのように磨いていくと良いか分析をしました。また、今後、学校の先生をはじめ、保護者や地域の方と協力して、どのようにみなさんを支援していくと良いかについて、具体的な取組について考えました。しかし、最も大切なのは、みなさん自身が自分の力を信じ、自分がやってみたいことに粘り強く取り組むことです。目指すところに向かっている間には、うまくいかないこともあるでしょう。困ったら友達や周りの大人を頼ったり、時には休んだりすることも大切です。そうやって紆余曲折しながら、勉強に限らず、たくさんの挑戦をして、「できた!」と思えることを積み重ね、焦らずじっくり粘り強く取り組んでみてください。ありたい自分になるために頑張るみなさんを私たちは応援しています。

さらに詳しい結果の公表は朝日町の公式HPをご覧ください。
https://www2.town.asahi.mie.jp/

問い合わせ先:教育委員会 教育課
【電話】377-5657