- 発行日 :
- 自治体名 : 滋賀県守山市
- 広報紙名 : 広報もりやま 令和7年8月1日号
■笑って歌う門には福来る
発足20周年記念自主教室「コーラスさくら」自分たちへのご褒美コンサート
今回は、河西公民館を拠点に、毎月2回はつらつとした歌声でコーラスを楽しむ「コーラスさくら」と、指導者の江川 典子(えがわのりこ)さんを取材しました。
・「コーラスさくら」は発足20周年を迎え、3月に記念の初コンサートを開催しました。
・メンバーの横田(よこた)さんの孫娘が友情出演。
満員の観客を前に、晴れのステージで歌い上げました。
・大きな声を出すコーラスは健康にいい。
練習は仲間と楽しく真剣に、ちょっとずつ上達を目指して。
●「声を出して健康になろう」 地域で生まれて自主教室に
河西公民館の自主教室「コーラスさくら」が発足20周年を迎え、3月に20周年記念コンサートを開催しました。頑張ってきた自分たちへのご褒美的なチャレンジでしたが、予想に反してたくさんの人が来てくれて、市民ホール小ホールは満員。うれしくも緊張の晴れ舞台となりました。
コーラスさくらは河西公民館の自主教室ですが、発足したのはそれより少し前のことです。
笠原町のご近所さんが「大きな声を出すのは健康にいいね」と、自治会館でコーラスを楽しむことになりました。グループの名前も、近隣で有名な「笠原桜公園の桜並木」から付けました。
集まったメンバーは数人、初心者ばかりで楽譜も音符も読めませんでした。そこで誰か指導者をという話になり、野洲市や大津市でもコーラスの指導をしている偉い先生だなんて知らず、こちらもご近所さんだった江川典子さんにお願いしました。
練習日は違いましたが、小学生など子どものジュニアコーラスも同時に発足(現在は休止中)しました。
家族や自治会の人たちも、初めは「あいつら遊んどるな」と見ていたそうですが、続けていくうちに、地元の敬老会などに呼んでもらえるようになりました。ジュニアコーラスと合同で「学区民のつどい」や「市音楽祭」にも出場。ファミリーコーラスのようだと好評で、公民館の自主教室として、学区全域からメンバーを募るようになりました。
●前向きに、明るく楽しく 自分たちのサウンドを
現在のメンバーは50~80歳代の16人。ずっと10人前後でしたが、コロナ禍の後、ぐぐっと増えたそうです。緊急事態宣言などで活動できない時もありましたが、窓を開け放し、コーラス用のマスクを購入するなどの工夫をして、できる限り練習を続けました。ソーシャルディスタンスで人と人の関わりが激減する中で、練習の時間が心のオアシスだったそうです。
指導者の江川さんは「コーラスさくらの魅力は、全員前向きで明るいことです。後ろ向きの人が誰もいません。コロナ禍では、メンバーたちの歌声が一層魅力的に見えたのかもしれませんね」と話していました。
グループ代表の大島弘子(おおしまひろこ)さんをはじめ、メンバーは逆に「明るい江川先生の魅力で続いてきたのだと思います。他の教室や指導者は考えられません」と声をそろえます。
月2回の練習は簡単ストレッチと発声練習から始まり、季節の歌、合唱曲など真剣そのもの。でも、江川さんは指導する言葉の端々にユーモアを交えて笑顔を誘います。メンバーたちは「元気とエネルギーをもらう」「ボケ封じ」など参加する理由を話してくれますが、結局「楽しいのよ」という言葉に行きつくようです。20周年コンサートを聴いて入団したという新しい仲間も、笑顔で歌っていました。
江川さんと大島さんは「コーラスさくらは、発足から変わらないメンバーも新しいメンバーもいます。20年がたって初期メンバーは高齢になりましたが、『親睦』『健康』『やりがい』と初心の目的を忘れずに、これからも仲間を増やし、少しずつでも上達を目指して『コーラスさくら』のサウンドを作り上げていきたい」と話していました。