健康 知っとこうか!公立甲賀病院

◆第39回 「肺癌」について知っとこうか
副院長補佐 呼吸器外科部長 藤田 琢也(ふじた たくや)
肺癌はすべての癌の中で最も死亡される方が多く、全臓器の癌の中で50%の死亡原因を占める病気です。肺癌は、症状の出る前に発見・治療することが重要です。そのため検診でレントゲン検査を必ず受け、必要に応じてCT検査を受けていただきます。発見されれば、診断をつけるため気管支鏡検査で組織や細胞採取を行います。
小さい腫瘍では診断がつかない場合も多いのですが、大きくなるのを待つと進行してしまいます。そのため、肺癌の可能性が高ければ、診断と治療を兼ねた手術を行います。肺癌の手術は、以前は大きく胸を開いて行う手術が主体でしたが、現在は胸腔鏡というカメラを用いて小さな傷で行う手術が主流です。診断がついてない場合はまずは小さな切除(部分切除)を行い、手術中に迅速診断、肺癌と診断されれば治療として拡大切除(区域切除、肺葉切除)を行います。約3-4時間の手術で、10日間ほどの入院が必要です。
進行がんに関しては放射線治療と薬物治療が主体となります。最近ではいろんな薬が開発されており、癌細胞がもつ分子を標的とした分子標的治療、癌に対する腫瘍の免疫反応を再度復活させる免疫チェックポイント阻害薬、等々、細分化され多岐にわたっています。
当院は、一般的な肺がん治療として全て可能であり、患者さん一人ひとりの病状と希望(例えばできるだけ仕事しながら治療を行いたい等)に合わせた治療を行うことができるのが特徴です。

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