- 発行日 :
- 自治体名 : 滋賀県野洲市
- 広報紙名 : 広報やす 令和7年7月1日号
■みんなとともに育ちあうために
『インクルージョン』という言葉を知っていますか。日本語では『包摂(ほうせつ…全てを包み込む)』という意味です。教育や保育では『障がいの有無にかかわらず、子どもたちが同じ環境でともに育ちあう』という意味で使われます。同じ環境で過ごすことで、子どもたちが自然に理解し合い多様性を知り、いろいろな価値観を学べるという良い面があります。
ただし、個々に発達の課題がある子どもたちを、何の支援も配慮もなく集団に入れてしまうことには慎重な対応が必要です。うまくいかない経験を重ね「自分は何をやってもダメだ」と自己肯定感が低くなることがあるからです。実際、大人になって支援につながった人が、昔のことを思い出してパニックになったり、「どうせ誰も助けてくれない」と社会に不信感を持っていたり、「大丈夫です」と支援を拒否してさらに失敗体験(職場で叱責される、離職を繰り返す等)を重ねてしまったりすることがあります。子どもの時の経験が大人になっても影響していることが多いのです。
そのため、市内の保育園・幼稚園・こども園では子どもの理解のサポートや子ども同士のコミュニケーションの橋渡しのために、担任や障がい児加配の先生が支援をすることがあります。個々の特性を把握し、保育の中で将来を見通して何を身に付けていくべきかを考えながら支援をするので、個別性や高い専門性が求められます。
発達支援センターでは、市内の園と連携し、支援の必要な子どもたちへの関わりを一緒に考えるような、間接的な支援をしています。支援の必要な子どもたちがいずれ社会で自立していけるように、また、多様性を知ることでクラス全体の子どもたちの共感力や柔軟な思考力を育てられるように、インクルージョンの視点で関わるように努めています。
一人ひとりの子どもが、それぞれの個性を認め合いお互いを尊重できるように育っていける社会になるといいですね。
問合せ:発達支援センター
【電話】587-0033【FAX】587-2004