くらし 【特集】見守る、支える、つなぐ。―いつも身近に、民生委員・児童委員―
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- 発行日 :
- 自治体名 : 滋賀県東近江市
- 広報紙名 : 広報ひがしおうみ 令和7年5月号
■民生委員・児童委員ってどんな人?
民生委員・児童委員は、「民生委員法」に基づいて厚生労働大臣から委嘱された非常勤の地方公務員です。ボランティアのため報酬はありませんが、交通費や通信費などの活動費は支給されます。任期は3年で、再任も可能。社会貢献の活動として長年にわたり民生委員を務める人もいます。
本市では、291人の民生委員・児童委員が活動されています。そのうち、児童福祉に関することを専門的に担当する主任児童委員は、28人です。(令和7年4月1日現在)
■地域をつなぐ「パイプ役」
民生委員・児童委員は、高齢者や障害がある人、子育てや介護をしている人などの身近な相談相手です。地域住民が安全・安心な生活を送れるよう、同じ地域で暮らす住民の一員として、生活の困りごとや心配ごとを聞き、必要な相談先や関係機関につなぐ「パイプ役」を担っています。
■民生委員・児童委員はあなたの地域の身近な相談相手
▽民生委員・児童委員への相談・支援件数(令和6年度)
・高齢者に関すること3,973件
・子どもに関すること3,045件
・障害者に関すること393件
・その他1,678件
▽お気軽に相談してください
「一人暮らしが不安」、「子育てのことで悩んでいる」など悩んでいることはありませんか。誰に相談していいか分からないとき、気軽に民生委員・児童委員に相談してください。自分の地域の民生委員・児童委員が分からない場合は、福祉政策課に問い合わせてください。
地域の人から相談された内容や活動中に知った秘密は口外してはならないと、民生委員法で定められています。守秘義務は退任後も課せられていますので、安心して相談してください。
■“つなぎ つながり 広がる人の輪(和)”
私たち民生委員・児童委員は地域住民の皆さんに常に寄り添い、最も身近な相談相手として各種支援につなげる役割を担っています。ふれあいサロン、スクールガード、挨拶運動などさまざまな活動を通じ、日頃から見守りや声掛けを行い、「私の近くにはあの民生委員がいてくれる」と安心してもらえるように活動しています。
つながりの希薄化が進む現在、地域住民の小さな変化を見逃さずより住みやすい東近江市となるよう日々前進していきます。
■はじめまして赤ちゃん「にこにこ訪問」~地域で赤ちゃんと子育て家庭を見守る~
本市では、民生委員・児童委員と主任児童委員が、赤ちゃんの産まれた家庭を訪問し、子育て家庭を見守る「にこにこ訪問」を行っています。訪問時には、子育ての様子を伺いながら、子育てを支援する情報なども届けています。(通常は1~2人で訪問)
この活動は、子育て中の家庭が地域で安心して暮らせるよう、訪問をきっかけにつながりをつくることを目的とし、平成25年度から行っています。生後1~2カ月頃に実施される保健師の赤ちゃん訪問の際に「にこにこ訪問」の案内を行っています。
▽訪問を受けた石田さん親子
どんな方が来られるのかなと思っていましたが、優しい方で安心しました。住まいの近くにいる方なので、心配ごとがあった時は相談してみようと思いました。地域の交流の場や子育ての情報もたくさん知ることができました。
▽中野地区主任児童委員小島聡子さん
子育てに不安はつきもの、一人で悩まないよう、いつでも声をかけてもらえる関係をつくりたいと思っています。親御さんたちに不安を話せる場がもっとあることを知ってもらい、不安の解消につなげています。
■高齢者の孤立を防ぎ、地域の支え合いの輪を広げる「見守り給食」
市辺地区では、市辺地区社会福祉協議会が主体となり、日赤奉仕団や更生保護女性会、地域ボランティアと協力しながらお弁当をきっかけとした見守り活動を実施しています。
月に2回、見守りを必要とする高齢者や支援が必要な人の自宅を訪問し、会話を通して健康状態や生活の様子などを伺っています。お弁当は、地域の皆さんから頂いた野菜なども使い、給食ボランティアが心を込めて手作りしています。
■5月12日は、民生委員・児童委員の日
毎年5月12日からの1週間を活動強化週間として、全国的な啓発運動を展開しています。地域の皆さんに民生委員・児童委員の存在や活動を正しく知ってもらうPR活動、孤独・孤立など地域の福祉課題への関心や理解を深める取組を行っています。
本市では、5月5日から11日までの児童福祉週間に併せて「子どもたちの顔が見える啓発活動」を実施しています。小学生の登校に同行し、子どもたちと顔を合わせ、民生委員・児童委員が子どもたちにとっての見守り役、困ったときの相談役であることをPRしています。活動を通じて子どもたちとのつながりが育まれるきっかけにしています。
また、登校に同行することで、通学路の危険箇所の把握にもつながり、毎日子どもたちが安全・安心に通学できることを願っています。
■地域での支え合いを守っていくために
地域住民の身近な相談相手として活動する民生委員・児童委員は、誰もが安心して暮らせる地域づくりに欠かせない存在です。近年では、少子高齢化や核家族化が進行し、地域のつながりが希薄になっていく中で、民生委員の果たす役割はますます重要になっています。
一方で、民生委員・児童委員の担い手不足が深刻な課題となっています。本市では、その解決の一助となるように、民生委員をサポートする民生委員協力員制度の導入を予定しています。
地域での支え合いを守っていくためにも、民生委員の活動により多くの人の理解と協力が求められています。今年度は、全国一斉改選の年です。民生委員の活動は、特別な資格や経験がなくても始められ、地域に貢献するという大きなやりがいがあります。ぜひ民生委員の役割について関心を持っていただければと思います。
問合せ:福祉政策課
【IP電話】050-5801-0945【FAX】0748-24-5512