くらし [シリーズ人権を考える]人権を考えるセミナー

11月20日に開催された第4回人権を考えるセミナーの内容をお知らせします。

■「たわいもない一言に潜む差別の芽」
立命館大学国際関係学部准教授 金友子(きむうぢゃ)さん

◇見えにくい細かい攻撃
講師の金さんは、日本生まれ日本育ちの在日3世。これまでの自身の経験を交え、無意識・無自覚による差別「マイクロアグレッション」について講演しました。
金さんは、自己紹介で自分の名前を伝えると「『日本語お上手ですね』『いつ日本に来たの』という言葉を何百回と聞いた。その度に傷つき、心の痛みが蓄積された」と体験談を語り「大きな社会問題となっているヘイトスピーチなどの〝見える〞差別とは異なり、マイクロアグレッションは日々のささいな言葉や行動で繰り返される。可視的ではないため問題視されにくい、日常に潜む差別」と説明。こうした差別をなくしていくためには「問題点を相手に伝え、気付いてもらうことが必要」と訴えました。
日常生活や会話の中の何げない言葉が、結果として相手を傷つける場合があります。大切なのは、コミュニケーションを取る相手を尊重し、偏見や先入観を捨て一個人として接すること。そして、相互理解を深め問題を指摘し合える関係を築くことではないでしょうか。