- 発行日 :
- 自治体名 : 京都府綾部市
- 広報紙名 : 広報あやべねっと 令和7年8月号
■祭りのあと
水無月まつりの花火大会が無事終了した。今年は旧市民センター跡地に完成した「あやパーク」に献灯神事や点灯式の場所が移され、また同パーク内に観覧招待席が設置されるなど新しい試みもあった。ここからは花火と万灯流しの両方を楽しめる。隣接する屋台も多くの人で賑(にぎ)わっていたが大きなトラブルもなく、ホッとしている。
花火は大好きだ。時代とともに進化する技術に裏打ちされた美しさを堪能する一方、一瞬のきらめきでもって散っていくその儚(はかな)さに、様々(さまざま)な想いを重ねてちょっぴりセンチになったりしてしまう。まさに真夏の夜の夢の象徴として多くの人に愛され、デジタル社会にあってもリアル(本物)を求めて、猛暑と喧騒(けんそう)の会場に足が向くのであろう。また翌朝には「クリーン水無月」と称して多くの市民や団体の皆さんによる清掃作業が実施された。一夜の非日常から日常の現実に戻ることになるが、記録的な酷暑の中、実行委員会をはじめ関係者の皆さんのご労苦には感謝の言葉しかない。祭りの後の一抹の寂しさと余韻に浸りながらも、清々(すがすが)しい朝を迎えることができた。
一方、参議院議員通常選挙が終わり新しい政治体制がスタートした。政治とカネの問題や物価高騰対策などに関して各党がそれぞれの主張を展開し、国民の審判を受けた。参院選は政権選択には及ばないのが常であるが、少数与党政権の発足後、初めての国政選挙であったこともあり国民の関心も高く、各党がしのぎを削った。選挙もある意味〝政治のお祭り〞と言えば不謹慎かもしれないが、さてこちらの祭りの後も清々しい気持ちで結果を受け入れ、将来を託すことができるであろうか。「バラマキ合戦」とも揶揄(やゆ)された選挙目当ての近視眼的な政策に惑わされず、百年の計ともいえる道を見誤ることがなかったか…今回の選択が〝後の祭り〞にならないことを念じている。
山崎善也(綾部市長)