- 発行日 :
- 自治体名 : 京都府宇治市
- 広報紙名 : 宇治市政だより 広報うじ 令和7年3月1日号
◆高校時代に味わった悔しさ
市長:高校時代には甲子園に出場、リリーフ投手として活躍され、大学で野球選手として一気に開花されたのですね。
平野:鳥羽高校の野球部は、当時全学年で約100人の部員がおり、公立高校の中で野球に力を入れている学校でした。甲子園は、先輩方に連れて行ってもらい雰囲気を味わわせていただいたという印象です。自分の野球人生の中で練習が一番厳しかったのは高校時代で、監督にも気にかけていただいたのですが、結果が出せず、今でも申し訳ないという気持ちが残っています。
ただ、高校時代に活躍できなかった悔しい気持ちがバネとなり、大学生の時に身体のバランスも良くなって一気に開花できたのだと思います。
市長:野球選手にとって重要なのは、技術の下地となる体力や土台となる体格ですよね。平野選手の今の理想的と言える体格が形成された時期をお聞きしたいです。
平野:身長が伸びたのは中学生の頃です。高校生の頃には既に183cm程度ありましたが、1年生の時は体重が60kgも無くてガリガリでした。大学時代の20歳前後で体格がしっかりしてきました。
◆成功するために大切なこととは
市長:目標や成功にたどり着くためには何が必要なのか私自身も日々悩みながら取り組んでいます。平野選手が、大学時代に野球選手として開花されたことは一つの成功と言えますが、その成功にたどり着くために大切なことは何でしょうか。
平野:一つ言えることは「諦めないこと」です。高校時代に結果が出せず、自分よりも素晴らしい選手が多くいた中でも、小学生の頃に抱いた「プロ野球選手になる」という夢を諦めずに挑み続けたことが、自分の中で一番大事なことだったと思います。
また、大学進学も含めて、野球を続けるには金銭的にも負担になったと思うのですが、私が「やりたい」と言ったことに対して、何も言わず送り出してくれた両親には、感謝しています。
◆今一番気を付けていること
市長:平野さんはプロ野球選手の中でもベテランの選手の中に入るかと思います。長年の経験を積まれたからこそ、気を付けておられることもあるのでは。
平野:今まで比較的怪我が少なかったのですが、この数年増えてきており、怪我の怖さを身に染みて感じています。身体づくりの勉強をさらにしていきたいです。
若い選手からも自分のトレーニングとは違う方法を教えてもらうなど、可能な限り多くを吸収していきたいと思っています。
市長:夢を追い続けるためには、日々の努力が大切ということですね。
◆自分で様々な発見をしてほしい
市長:ここからは、平野さんの家族観やお人柄について、お聞きしていきたいと思います。
平野さんには小学生のお子様が2人いらっしゃるということですが、野球に興味は持たれているのでしょうか。
平野:下の子どもは小学1年生から野球をしています。
市長:お子様に野球のノウハウを伝える等の指導はされますか。
平野:自分の経験からも、幼少期は上から押し付けられることに苦痛を感じ、大学時代に自分で考えて結果を出せたということがあるので、あまり口出しはしていません。
市長:平野さんとして野球に対する知識は深いけれども、お子様に対しては「自分で見つけてこい」ということですね。
平野:本当にそのとおりで、彼が真剣に向き合ってアドバイスを求めてきた時は教えるというスタンスです。自分で様々な発見をしてほしいし、チームメイトや指導をされている方々と一緒に野球することが、今は大事だと思います。
市長:お子様から「お父さんのようにピッチャーになりたい」「甲子園に行きたい」「プロ野球選手になりたい」と相談されたら、どうされますか?
平野:そうなれば、私も頑張って一緒にやっていきたいですね。今はとにかく野球を楽しんでほしいです。実は自分が投げるよりも、子どもが投げている姿を見る方が緊張します。