- 発行日 :
- 自治体名 : 京都府木津川市
- 広報紙名 : 【京都府木津川市】広報きづがわ 2025年3月号
■「思いを声にのせて、言葉を届ける」
声楽家 田中純(たなかじゅん)さん
木津川市在住の声楽家。東京芸術大学音楽学部声楽科を卒業し、ドイツ各地の教会で歌曲リサイタルやオペラなどの演奏活動をおこなう。帰国後はオーケストラとの共演やミュージカル出演なども精力的におこなっている。32年間教授として勤めた京都女子大学で、現在は名誉教授として教育に携わる一方、数々のコンサートに出演し、こどもから高齢者まで幅広い方々へ音楽と言葉を届けている。
▽声楽家になったきっかけは何ですか?
小さい頃からピアノを習い、音楽が好きなこどもでした。小学3年生で入った合唱団で、楽しく音楽を学び、歌うことがさらに好きになりました。中学生になり、将来のことを考えたとき、名前を残せる仕事がしたいという思いから、好きな音楽の時間が確保できるよう進学先を決めました。その後は専門的に声楽を学べる大学へ行き、ドイツ音楽を専門分野と決め、ドイツでより深く知識を高めました。帰国後は、歌を聴いた方々に、より音楽と言葉を伝えられるよう、日本の歌を一から学び、今では、日本の良い歌を届けるために声楽家として活動しています。
▽声楽を続けてきて嬉しかったことはありますか?
聴きに来られた方が涙を流しながら聴いていらっしゃる姿を見たときは、本当に嬉しかったです。今も歌う時は、声を聴かせるのではなく、言葉を届けるということを大切にしています。
また、自分の歌を聴いてくださった有名な作曲家の方に、楽曲を作っていただいた時は、とても感動しました。声楽を続けてきて良かったなと思う瞬間でした。
▽今後の活動や目標を教えてください。
声が出なくなるまで歌い続けたいです。そして、歌で世の中のためになれたら嬉しいです。
震災のチャリティーコンサートなども、歌うことで何か支援ができればと思っています。
また、コンサートには、その日しか来れない方や特別な思いを持った方も来られます。これからも、その1人ひとりに伝わる声で、音楽の素晴らしさと言葉を届けていきたいです。