くらし 昭和から100年 終戦から80年
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- 発行日 :
- 自治体名 : 京都府木津川市
- 広報紙名 : 【京都府木津川市】広報きづがわ 2025年8月号
今年は、昭和が続いていると昭和100年となり、終戦からは80年という節目の年です。
昭和、平成、令和と変化し続ける時代を生き抜く方々。
長年の経験から得た知恵や長寿の秘訣、改めて願う平和への思いなど、様々な困難を乗り越えてきたからこそ語れるお話を伺いました。
その姿から、私たちは改めて今の時代の豊かさや平和、生きる希望や幸せを学ぶことができます。
今を生きる皆さんに伝えたい、次世代に残していきたい、その思いとは。
■昭和から100年
昭和から100年を迎える今、100年という長い年月を過ごした中で思うこと、今を元気に生きる秘訣を伺った。
▽昭和時代
学生時代は、奈良育英学園の女学校で勉学に励みました。戦時中ということもあり、学校のテニスコートや運動場は芋畑に変わり、飼育場では鶏や兎、豚、山羊などを飼育していました。
実際にB29を目撃し、いつ殺されるかと不安で仕方ありませんでした。
昭和時代と比べて今はとても住みやすく、楽しい日々を送っています。
▽今の暮らし
朝は8時~9時に起きています。週3日デイサービスに行き、好きな習字や塗り絵などをしています。外で過ごすことが好きなので、家の前にある畑にいることが多いです。食べることも好きで、甘いもの、すっぱいもの、カレーやピザなど何でも食べます。
▽元気の秘訣は
毎日家の前にある畑に行き、草引きをすることです。雨が降らない限り、毎日畑に行きます。90歳の頃までは、畑で野菜なども育てていました。
花や草を触ることは昔から好きでした。年を重ねるにつれ、できないことが増えましたが、今の自分にできることは草引きだと思って毎日しています。
育てていた花が咲いたり、草引きをして綺麗になったことを喜んでもらえる姿を見ると、とても嬉しく思います。
▽今大事にしていること
健康第一です。健康だと何でもできます。
昭和から100年と聞いて、それだけ生きてきたのかとしみじみ思います。こどもや孫、ひ孫たちみんなが大きくなったなぁと思うと同時に、生きてきた年数も感じます。
また、家族みんなと一緒に過ごせていることが嬉しいです。これからも健康で家族仲良く暮らしていきたいです。
▽平間喜美子さん
大正14年生まれ 満100歳
大正、昭和、平成、令和と4つの元号を過ごし、今年8月14日でめでたく満100歳を迎える。現役時代は国鉄と福寿園で勤めていた。定年後は好きな花や野菜作り、大正琴、習字など多趣味を楽しみながら生活をし、今は毎日軽やかな足取りで畑に向かい、草引きに励んでいる。
■終戦から80年
終戦から80年を迎える今、戦争の記憶と平和への思いを伺った。
▽戦闘機の記憶
戦争が始まると、空には独特な音を放ち戦闘機が何機も飛びまわっていました。乗っている人が見えるくらいの距離だったような記憶もあります。近くを通った時は、耳を塞ぎ小さくしゃがんで、田んぼに積まれてある藁に隠れました。
▽学校の生活
学校へ行く途中に警戒警報が鳴ると、家に帰るように言われていました。学校では、防空壕を掘ったり、農作業ばかりで勉強はさせてもらえませんでした。
風景画など色々な絵を描くのが好きでしたが、教室には飾ってもらえず、飾られた絵は、日本の戦闘機や日本兵が外国兵を倒す絵ばかりでした。
▽家での生活
家では百姓をしたり、防空壕を掘っていました。靴がないので、裸足で田んぼに入る時が痛かったことを今でも覚えています。唯一、本を読んだり、ラジオを聴くことが一番楽しい時間でした。夜は明かりを外に漏らしてはいけないので、白い壁に墨を塗って、過ごしました。
収穫した米は政府に納めないといけなかったため、充分な量の食事は摂れず、毎日空腹でした。
▽終戦の日とその後の生活
終戦の日、空がとても青くて、綺麗でした。真夏にも関わらず寒かったことを覚えています。後から考えると、空が綺麗なのは空襲がなかったからだと思いました。
学校では、戦争が終わってから「文化心の創出」と教えられ、今までの指導法が、がらりと変わりました。食生活は急に変わりませんでしたが、まちでは進駐軍が車で来て、チョコレートをくれました。
▽今思うこと
戦争は絶対にしてはいけないことです。戦争を知らない方へ、あの時何が起こっていたのか、戦争が始まった経緯などを知ってもらうことが大切だと思います。
今は、色々な国の方と楽しく話すことができたら、とても幸せな気持ちになります。そして日々、大切にしていることは、今を楽しく生きることです。これからもその思いを大切にしながら、前向きに過ごしていきたいです。
▽吉本喜洋さん
昭和9年生まれ 満91歳
小学2~6年生の5年間、戦争を経験。生まれてからずっと加茂の豊かな自然の中で過ごす。現役時代は教師として勤め、定年後は岩船寺の駐車場で案内役として今も活躍し、外国の方とも英語を使いながら会話を楽しんでいる。毎日綴る日記には「明日もいい日でありますように」と記し、日々を楽しく過ごしている。
■あなたの戦争体験を教えてください。エピソードや遺品など、次世代に残したい情報があれば人事秘書課へ連絡ください。
【電話】75-1234【メール】[email protected]