- 発行日 :
- 自治体名 : 京都府久御山町
- 広報紙名 : まちの総合情報紙 広報くみやま 令和7年11月1日号 No.1178
■とにかくまじめでひたむき
[(株)エージェンシーアシスト 岩田(いわた)さん・齋間(さいま)さん・國則(くにのり)さん]
8年前から実習生を受け入れている(株)エージェンシーアシストの皆さんに「働く」外国人について話を聞きました。
ものづくりの商社として海外展開を考えていた時に縁があり、当時2人から始まった受け入れが、今では7人の技能実習生と3人の特定技能生が働いてくれています。
▽苦労したのは言葉の壁
みんなチャレンジ精神が旺盛で、とにかくまじめで前向きに仕事に取り組んでいます。私たちがつい甘えてしまうほどの仕事ぶりです。でも、言葉の壁には苦労しました。
思っていることが伝わらず、現場がピリつくこともありましたが、ひたむきに学ぶ実習生を見て社員の意識も変わってきました。現在は会社でも日本語学習の時間を設けたり、先輩実習生が増えているので働きやすい環境になってきています。
▽お互いが家族のように
個人的には実習生と自宅で食事をしたり、お祭りに行ったり、休みの日でも一緒に過ごすようにしています。まるでお互いが家族のように接しています。
▽同じまちに住む仲間として
採用の際に現地を訪れることがあります。交通ルールやごみの処理など、文化の違いにはいつも驚かされますが、実習生たちは日本文化の下で頑張って生活しています。以前うちの社員がごみを不法投棄したと誤解され、張り紙をされたことがありました。外国人だからとひとくくりにされるのは少し悲しいです。
同じ久御山町に住む仲間としてお互いが歩み寄れる関係でいたいですね。
〈技能実習と特定技能〉
○技能実習…日本の技能や技術、知識を開発途上国へ移転し、その国の経済発展に寄与することを目的とする(技能移転)
○特定技能…国内の人材不足を解消し、特定の産業分野で活躍する外国人を受け入れることを目的とする(人材不足解消)
在留期間

■助け合うのに国籍は関係ない
[日本語支援ボランティア 朝倉(あさくら)さん・浦野(うらの)さん]
日本語を「学ぶ」外国人について、日本語支援ボランティアの朝倉さんと浦野さんに話を聞きました。
以前は久御山町に日本語教室がなく、宇治まで行かないと勉強ができない状況でしたので、外国人からの要望を受けて始めたのがきっかけです。今では40人ほどが参加しています。
▽次第に上手くなる日本語に
日本語なら教えられるだろうと思い日本語支援ボランティアを始めましたが、案外難しいんです。自分たちが習った文法と違ったりするので、「これは何が違うの?」と聞かれても答えられなかったりします。ここは日本語学校ではないので、私たちも楽しみながら一緒に勉強をしています。
初めは上手く話せなかった受講者が卒業の頃には上手に話せるようになったり、日本語検定に合格してくれるとやっぱり嬉しいですし、やって良かったなと思います。
▽これからの課題
本当はマンツーマンで教えてあげたいのですが、受講生に対してボランティアが足りていないのでグループでの学習になっています。日本で出産する人も増えていますし、これからは子どもたちの学習も必要になってくると思いますが、私たちは大人向けの教室なのでそのあたりは考えないといけない課題ですね。
▽どうせ外国人…ではなく
最近は何か問題があれば「どうせ外国人やろ」とよく耳にしますが、慣れない土地でみんな熱心に勉強しています。私たちは外国人だから助けているわけではありません。困っている人がいたら国籍に関係なく助け合うことが共生だと思っています。
〈久御山日本語教室〉
ゆうホールで日本語教室を開催しています。
学びたい内容ごとにクラスに分かれ、自分のペースで学習することができます。
一緒に日本語を学びませんか。
日時:毎週水曜日午後6時45分~8時15分
問合せ:生涯学習応援課
〈日本語支援ボランティア養成講座〉
(公財)京都府国際センターと共催で、外国人の日本語学習を支援するボランティア講座を定期的に開催しています。
改めて日本語を学びませんか。
問合せ:生涯学習応援課
○久御山での暮らしはどうですか?
9月21日に、ゆうホールで「シンキくんと語ろう会」を開催しました。信貴町長と地域住民が膝を交えて、自由に意見交換をすることを目的に開いており、今回は初の外国人住民との交流で、5人のベトナム人と久御山町での暮らしについて話しました。
○イベントがあれば嬉しい
久御山町に来たきっかけや生活の様子を話し、「久御山の人はみんな親切です。いつもありがとうございます」など感謝の言葉を口にしました。また、「ベトナム人はお祭りが好きなので町のイベントがあれば参加したい」「日本にはない旧正月のイベントができないか」など、イベントを望む声もありました。
○災害時に備えて平時から
信貴町長は「皆さん日本語がお上手ですね」と関心しながら「災害時にコミュニケーションがとれないと被害拡大につながるので、平時から顔の見える関係を築いていきたい。そのきっかけにイベントは最適だと思うので実施していきたい」とイベント開催に向け、話し合いました。
参加者や有志がイベント開催のために募った費用の一部を、町の子どもたちのために活用して欲しいと寄附をしていただきました。
