- 発行日 :
- 自治体名 : 大阪府高槻市
- 広報紙名 : 広報たかつき(たかつきDAYS) 令和7年6月号 No.1447
【対策を知る】
シカ、イノシシ、アライグマの特徴と対策を知りましょう
・教えてくれた人
府猟友会高槻支部 寺西寛さん
活動歴はなんと60年以上。捕獲活動に精通した寺西さんに聞きました。
●Interview
◇農家と地域住民のために有害鳥獣に立ち向かう
府猟友会高槻支部(以下、猟友会)の会員は現在76人で、そのうち銃とわなの経験年数の基準を満たす11人が、委託を受けて「有害鳥獣捕獲隊」として活動しています。市からの依頼に応じ、シカ・イノシシ・アライグマの捕獲、捕獲おりの設置、回収まで引き受け、時には山中パトロールなども実施しています。
令和2年以降、有害鳥獣(特にシカ)が爆発的に増加していると感じます。人間と動物が共生していくためにはバランスが重要で、適切な数に抑える捕獲が重要な対策です。猟友会は、農家さんや地域のためにという気持ちで活動しています。捕獲活動の必要性をご理解いただき、何かあれば、私たち捕獲隊が駆け付けますので、ご安心ください。
■シカ
特徴:
・市北部を中心に出没
・日没後活動し、主に群れで行動
・苗、葉物野菜、水稲を好む
・樹皮を食べ、森林に被害
・環境が良いと1歳から毎年出産
■イノシシ
特徴:
・市北部を中心に出没
・イモ類、タケノコを好む
・田んぼに侵入し、稲を踏み倒す(獣臭がつき一帯が出荷不能に)
・軽微な柵なら突破する身体能力
⇓対策
傾向:山間部の農地に出没 近年は人里近くまで侵入
◆対策1 防護柵やネット設置
市内では田畑の周囲を柵やネットで囲み、動物の侵入を防ぐ対策が一般的です。ネットにシカやイノシシがかかることもあり、市から猟友会へ依頼し、連携して頭数減を図っています。
○地域で設置する防護柵などへの支援を拡充
市では農家が有害鳥獣対策用に設置する防護柵などの資材費を支援しています。今年度は、複数の農家が協力して設置するケースへの支援を拡充。地域で連携して対策することで、動物の侵入を防ぎ、設置費用を低減させます。
◆対策2 捕獲おり設置(シカ・イノシシ用)
市、猟友会、農作物被害が出ている地域の農家が連携して、動物が頻繁に出没する場所に設置します。日々の見回りは農家が行い、捕獲されたときは、猟友会が現場へ出向きます。捕獲することで、シカとイノシシの生息数を減少させる効果があります。
・捕獲隊の目印はオレンジ色のベスト
■アライグマ
特徴:
・市内全域で出没
・しましま模様の長いしっぽ
・前足、後ろ足ともに指が長い
・1回で6~8頭出産する高い繫殖力
・雑食。どう猛な性格で家畜やペットが被害に遭うことも
・民家に侵入し、生活拠点にする
・長い爪に病原体、マダニも媒介
○家屋にも被害が
アライグマはさまざまな場所をねぐらにしますが、冬場は、雨風をしのげて暖かい家屋も主なすみかにします。天井裏のふん尿被害のほか、壁や柱、配管などへの傷や破壊などの被害を受けることもあります。
⇓対策
傾向:農地や家庭菜園が餌場 民家や住宅街などをすみかに
◆対策 捕獲おり貸し出し(アライグマ用)
個人宅の庭や田畑、倉庫など、アライグマが出没する場所に設置して捕獲します。アライグマは人にかみつく恐れもあり危険。必ずおりで捕獲する必要があります。
ID:004147
・被害拡大を受け、今年度は、捕獲おりの台数を大幅に拡充。貸し出し期間の延長にも対応します。
▽手順
STEP1 農林緑政課へ連絡(日時の調整など)
STEP2 市から猟友会へ連絡
STEP3 猟友会から依頼者へ直前の確認連絡
STEP4 猟友会が捕獲おりを設置
STEP5 捕獲が確認された場合は、市に連絡 後日、猟友会がおりと個体を回収
◆有害鳥獣を見かけたときに覚えておきたい3か条
1.餌付けしない
食べ物があると学習し、人里へどんどん侵入してきます
2.刺激しない
野生動物は非常に危険。安易に近づいたり騒いだり刺激しないで
3.捕獲は市へ相談を
野生動物の捕獲には法に基づく許可が必要。まずは市へ相談を
■有害鳥獣被害を防ぐ対策を強化
市内の有害鳥獣による被害は、北部山間部でのシカやイノシシだけではなく、都市近郊の農地でのアライグマなどによる被害も増加しています。
市では、農業の持続的発展のため、府猟友会高槻支部や農家の皆さん、またJAたかつきなど関係団体と連携を取りながら、今後も有害鳥獣被害対策に取り組んでまいります。市民の皆さんも、有害鳥獣の被害と対策について、ご理解とご協力をいただきますようお願いいたします。
高槻市長 濱田剛史
問合せ:農林緑政課
【電話】674-7402