くらし 人権のひろばvol.307

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■マイクロアグレッション~日常生活に潜む無自覚な差別~
マイクロアグレッションは、精神科医であるチェスター・M・ピアース氏によって、マイクロ(小さい)とアグレッション(攻撃)を組み合わせて作られた造語です。
ピアース氏は研究の中で、アフリカ系アメリカ人と白人のコミュニケーションの多くに、白人が無自覚に「相手の価値を低く評価する気持ち」があることに注目し、これをマイクロアグレッションと名付けました。
この言葉は1970年代にアメリカで作られた造語ですが、現在の日本にも該当する事例はあります。学校の同級生、職場の同僚などと話をする時など、日常で発生しそうなマイクロアグレッションの例を表にしました。
発言内容はどれも明らかな差別言葉ではありませんが無自覚で相手を傷つけている恐れがあり、誰もが発言してしまう可能性があります。

◆マイクロアグレッションをしてしまったら
もし話し相手や周りにいる人から発言内容を指摘された場合には、どのような対応をすれば良いでしょうか。
差別意識のない発言を注意されると「誤解です。」と反論したくなるかもしれませんが、それは相手をさらに傷つける場合があります。自分の言動によって傷つけた事実を素直に謝り、問題と丁寧に向き合うことで、同じことを繰り返さないことが重要です。
私たちの日常に潜むマイクロアグレッションに気付き、思いやりの心を持つことが、他者とのより良い関係を築く第一歩となるのではないでしょうか。

●マイクロアグレッションの例