くらし 園芸はじめの1歩! 3年かけて理想の庭づくりへ

写真・文:富山 昌克
今年度はお庭の後景部分を彩る花を季節ごとに紹介します。手軽に入手できて、誰でも簡単に咲かせられる超スタンダードな園芸植物の栽培法をマスターしましょう。

No.12 オリーブ
銀葉(ぎんよう)が美しいオリーブは洋風の庭に合います。秋に収穫できる果実は、メイプルシロップに浸して漬けておくと2週間程度でそのまま食べられるようになります。大量に収穫できるとバージンオイルも。乾燥に強く、良く育つので、すぐに大木になります。

実の収穫期間:10月下旬~11月中旬
水やり:鉢土が乾いたら、たっぷり与える。庭植えの場合は、植えつけ直後を除けば水やり不要。
置き場:日当たりの良い場所

■お庭づくりのポイント
シンボルツリーとして魅せたい場合、玄関前や、庭の中央など目立つところに鉢植えを設置したり、庭へ植え込んだりします。実を収穫したい場合は、異品種を近くに配置すると結実率が上がります。実が収穫しやすいよう、3~4mで剪定しましょう。

■マメ知識
オリーブは、生命の樹木といわれます。寿命が非常に長く、1,000年以上も生き続けるため、長命の象徴です。現在も「平和」、「知恵」や「勝利」の象徴として、国連の旗をはじめ、多くのデザインに利用されています。

【お庭づくりの極意】
今回の庭づくりの極意は「調和」。前景、中景、後景の植物の配置を自然に馴染ませ、四季の変化を楽しめる余白を残すことが大切です。日々の小さな変化を愛でる心で無理せず楽しむことが庭を豊かにします。

■栽培の手順
(1)2回り大きなコンテナに鉢増し。以後3年に1回は植替えが必要。庭へ植えつける場合、3~4月が適期。
(2)コンテナの底に赤玉土(あかだまつち)(大粒)を敷き詰める。
(3)鉢から根鉢(根と土の塊)を抜き、肩と底の土を少し崩す。
(4)鉢植えは3・6・10月に鉢サイズに応じた緩効性化成肥料を、庭植えは、2・10月に、有機質肥料(油かす・骨粉)を与える。

■オリーブを開花させるための剪定ポイント
オリーブは、前年に伸びた枝の葉の付け根に花芽をつけます。前年枝を残すことが開花の必須条件で、冬に剪定しすぎると花が減ります。2月に樹形を整える基本剪定を行い、6月頃の花が咲いた後に、混み合った小枝や真上に伸びる枝を整理する軽剪定を行います。内側まで光が入るよう調節し、細くても前年伸びた枝はできるだけ温存しておくことで、そこに花をつかせます。

■次回は1月号予定 つるバラ(誘引)
市公式YouTubeチャンネルでは、コウモリランのコルク付けの動画を公開中!ぜひご覧ください。