- 発行日 :
- 自治体名 : 大阪府交野市
- 広報紙名 : 広報かたの 2025年7月号
〝もう一度〞に寄り添えるまちへ。
市では、犯罪や非行をした人の立ち直りを支える「更生支援」に取り組んでいます。支えているのは、民間ボランティアの方々で、その一つに「保護司」という活動があります。枚方・交野地区では99人が活動し、ひとり一人の再出発に向けて寄り添っています。
■保護司とは?
犯罪や非行で保護観察を受けている人と面接を行い、立ち直りに必要な指導や助言を行うボランティアです。幅広い年齢や多様な職業等、様々な立場の方が活躍しています。
社会復帰後に住む場所や働く先の調整・相談だけでなく、犯罪防止活動も行っています。
(PICK UP VOICE)
保護司を代表して、更生保護サポートセンター(かたの)のセンター長に、保護司を始めたきっかけや、活動についてお話を伺いました。
枚方・交野地区
更生保護サポートセンター(かたの)センター長
小学校校長を退職後、保護司に。活動歴11年。
(1)活動を始めたきっかけは何ですか?
定年退職後、地域に恩返しをしたいと考えていたところ、保護司をしている知人から「一緒にやってみないか」と誘われました。不安もありましたが、何度か声をかけてもらう中で、「自分にもできることがあるかも」と、保護司になる決意をしました。
(2)どんな活動をしていますか?
対象者と月に2回面談して生活状況や悩みに対して助言し、その内容を保護観察所へ報告します。他にも、研修会や保護司の定期会議にも参加し、支援の質を高める学びを続けています。
(3)印象に残っている出来事はありますか?
初めて担当した若者が、観察終了後に「ありがとうございました」と電話をくれたことが今でも心に残っています。観察期間は終わっているのに、わざわざ感謝を伝えてくれたことで、再出発の力になれたのだと実感でき、とても嬉しく思いました。
(4)難しさを感じることはありますか?
対象者ごとに事情や背景が異なるため、支援の方法も毎回さまざまです。薬物依存の方との面談では戸惑う場面もありましたが、わからないからこそ学び、先輩や関係機関に相談することで、その方に寄り添うよう心がけています。
■寄り添うこころが、地域の力になる
立ち直りを支えることは、特別なことではありません。彼らが地域に戻ってきたとき、犯罪や非行をした人が帰ってきたと冷たい目を向けるのではなく、罪を償い、地域の一員として帰ってきたんだと、温かい気持ちで迎えてほしいと思います。
皆さんの更生支援への理解と協力によって、犯罪や非行のない安全安心なまちを一緒に作っていきましょう
■こんな取り組みも!
◇地域とつながる更生支援
○かたの七夕プロジェクト
矯正施設「交野女子学院」の在院生が地域とのつながりや生きがいを作るために、事業所や子どもたちと協力して作った短冊等を飾ります。
期間:7/1(火)~7(月)
場所:フレンドタウン交野店、ゆうゆうセンター、市内図書室
◇社会を明るくする運動
犯罪や非行のない明るい地域社会を築くため、更生保護について知ってもらうための運動を行っています。7月は「再犯防止啓発月間」であり、「社会を明るくする運動」の強調月間です。犯罪防止や更生支援への理解を深め、安全な社会づくりをめざしています。
○記念式典・講演会
内容:「共に生きるということ~私がそばにいるから~」
日時:7/1(火)12:30~
場所:枚方市総合文化芸術センター
定員:800人
費用:無料
講師:高部知子(たかべともこ)さん
○作文コンテスト
内容:犯罪や非行をした人の立ち直りについて感じたことや体験したこと等の作文を募集します。
対象:市内の小中学生
応募先:400字詰め原稿用紙3~5枚程度に学校名、題字、氏名を記載し、9/1(月)までに福祉総務課へ持参または郵送(必着)
問合せ:福祉総務課
【電話】893-6402