くらし もっと!あまらぶ File53

もっとあまがさきが好きになる、さまざまなあまがさきの魅力をお届けします

■髭(ひげ)の渡し花咲き会
尼崎の秋の風物詩「武庫川髭の渡しコスモス園」。武庫川河川敷をまるで花の絨毯(じゅうたん)が覆うかのような美しい光景が広がりますが、同コスモス園がどのようにして誕生したかご存じですか?

▽美しい河川敷を取り戻したい
阪神・淡路大震災以降、不法投棄などで同河川敷は劣悪な環境でしたが、平成14(2002)年、地元町会などが兵庫県や本市に改善を求め、協議を重ねました。当時本市で地域の皆さんがまちを花で彩る取り組みを行っていたことから、地域住民の協力の下での同河川敷の花壇の整備を県に提案した結果、県が河川敷を整備し、ボランティア団体が種まきや除草などを行い、本市が同団体を支援するという役割分担が決まりました。これを機に平成15(2003)年3月、「髭の渡し花咲き会」が発足し、同河川敷がコスモス園として生まれ変わることになりました。

▽手塩にかけてます!開園までの道のり
毎年6月末から、開園に向けて草刈りが行われます。7月中旬から種まきの直前まで1週間おきにトラクターで土を耕し、区画割りを経て、8月末に大人も子どもも一緒に汗を流して種まきを行います。その後も、コスモスの成長を阻害するほど背の高いチョウセンアサガオなどの雑草抜きやごみ拾いを毎月繰り返します。近年は猛暑の影響で、朝に水やりをしても昼には地面がひび割れるほどカラカラに乾いてしまうため、夕方に2回目の水やりも実施しています。多くの苦労を乗り越え、10月中旬ごろ、やっとのことで開園を迎えます。

▽この景色をいつまでも
「僕にとってこの場所は、幼い頃からの思い出の地なんです。野いちごを食べに通っていた少年時代から散歩コースになっている今までずっと」と、はにかんだような笑顔で語ってくれたのは、同会の会長・藤木芳博さん。「毎年たくさんの人が種まきをはじめ、この場所に関わってくれています。僕にとってはコスモス園に関わるすべての人が花咲き会のメンバーですね。若い世代にもっと関わってもらいたくて、地域の学校やお祭りでPRをしています。この景色をずっと守り続けるためには資金が必要で、今年はクラウドファンディングにも挑戦しているんです。この場所が訪れてくれたすべての人たちにとっても思い出の地になってくれたら何よりうれしいです」。
今年で22回目の開園となる同コスモス園(ID:1005727)。コスモスが咲くまでの物語に思いをはせてみると、今年のコスモスがもっと美しく見えるかもしれませんよ。

■あまらぶクイズ
コスモス園で、開園までに大人も子どもも汗を流して行うことは?
(1)まめまき
(2)えほうまき
(3)たねまき

答え:(3)たねまき