くらし 特集 正しく知ろう認知症のこと(1)

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9月は認知症月間です。
令和12(2030)年には65歳以上の人の約3人に1人が認知症や軽度認知障害(MCI)になるといわれています。64歳以下で発症する若年性認知症もあり、自分や身近な人など、誰もが認知症になる可能性があります。
認知症になってもその人らしさやできることがなくなるわけではなく、サポートを受けながら仕事を続ける人もいます。
認知症になってからも誰もが「自分らしい」生き方ができるよう、まずは認知症について正しく理解し、困ったときにどのように対応すれば良いか知っておきましょう

■まず知ろう 認知症のキホン Q and A
Q.「軽度認知障害(MCI)」って認知症と何が違うの?
A.もの忘れはあるものの日常生活にはあまり支障がない状態で、認知症と診断される一歩手前の状態をいいます。適切な対処をすれば認知症に移行せず回復する可能性もあります。

Q.認知症は予防できるものなの?
A.「これをすれば認知症にならない」という予防法はありませんが、食生活や運動習慣などの改善により、発症のリスクを減らすことは可能だといわれています。また、発症しても早期に発見・治療すれば進行を遅らせることができる場合があります。

Q.そもそも認知症ってどんなもの?
A.さまざまなことが原因で、脳の神経細胞の働きが徐々に変化し、記憶や判断力などの認知機能が低下し、それまでできていたことができなくなって生活に支障がある状態をいいます。加齢によるもの忘れとは異なります。

■私たちどうなるの?何ができるの?みんなのモヤモヤをのぞいてみると…
▽認知症の本人
・自分は認知症なの?
・できることはやりたい 仕事は続けられるの?
・今までの自分と違う気がして不安 誰かに相談したい
・この気持ち、同じ立場の人と共有できへんかなあ
認知症になっても、急に何かが変わることはありません。今まで通りの生活を続けることが安心と自信につながります。また、いきいきと日常生活を送るために、普段から地域の仲間や友人などとの交流を持ち、落ち込みや孤立を防ぎましょう。

▽家族
・なにかあったら大変 外出させるのは心配やわ
・同じような状況の人はどうしてるんかな
・今までと様子が違うけど、どこに相談したらいいんやろ?
つい怒ったり、何もさせないようにしたりしてしまいがちですが、何もできなくなるわけではなく、自分でできることもたくさんあります。否定したり、決めつけたりすることなく、本人の意思や自尊心を尊重する接し方を心掛けましょう。家族だけで抱え込まず、相談してみてください。

▽周りの人
・何か困ってるみたいやけど、どうすればいいんかな?
・自分にも何かできることないんかな
声を掛けるときは一人でゆっくりと優しい口調で話し掛け、相手の話に耳を傾け、寄り添う姿勢で接しましょう。認知症は決して特別なものではなく、まずは正しく理解することが大切です。

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