くらし 今月のイチオシ(1)ー地域コミュニティ組織の取組みー

■安心して幸せに暮らし続けられる地域へ〜自分たちの地域は、自分たちで守る〜
人口減少、少子高齢化が進む本市では、行政区ごとの力が弱まり、行政区単独では解決できない課題が増えています。
2017年、市内全29地区で地域コミュニティ組織が立ち上がりました。「自分たちの地域は自分たちで守る」という理念のもと、地区公民館をコミュニティセンターとして刷新し、住民自治の拠点としています。市では「豊岡市地域コミュニティビジョン」を策定し、各地区も「地域づくり計画」に基づいて活動を進めています。
新しい地域コミュニティがスタートしてから8年が経過した今、地域コミュニティ組織が取り組んでいる活動を紹介します。

※めざす地域コミュニティの将来像(豊岡市地域コミュニティビジョンより)

◆訪問インタビュー
地域おこし協力隊 田中里佳(たなかりか)さん
2024年1月、地域おこし協力隊に着任。一般社団法人ちいきのてに所属し「地域コミュニティ組織の伴走支援」をテーマに活動しています。

◇「奈佐地区っていいな」と思ってもらえるように
奈佐地区コミュニティ なぎさの会

奈佐地区では、地域づくり計画を立てるために意見交換を重ね、その中であがった課題の解決への一歩として、長年親しまれてきたソフトバレーボール大会をリニューアルしました。

・みんなが楽しめるソフトバレーボール大会へ
大会はコロナ禍を経て「やる、やらない」ではなく「負担を減らし、楽しく続ける」道を模索。地区対抗戦をやめて自由にチームを組めるようにしたり、初心者も経験者も楽しめるルールを新たに設定したりしました。「自然と会話が生まれ、世代を超えた交流ができるのがこの大会の魅力です」と話すのは、地域マネージャーの杉山奈央子(すぎやまなおこ)さん。岡下修(おかしたおさむ)会長も「単に目立つ行事をするのではなく、その背景には地域課題に即した意義が込められています」と話します。「区長会はコミュニティを後押しする存在」と区長会の深山義行(ふかやまよしゆき)さん。「まずやってみよう」という姿勢でコミュニティの活動を支えています。

・無理なく、楽しく続けていくために
「従来のやり方では、行事が成り立たなくなっている」という課題意識のもと、奈佐地区では各世代のニーズに合わせた事業を展開しています。その一環として、日々の困りごと解消と若者が地域に関わる場づくりを掛け合わせ「地元高校生が教えるスマホ教室」を実施。また、移動販売による買い物支援など日常生活を支える活動にも取り組んでいます。「今だからこそ人が集まれる場を作りたい」と岡下会長。変化を恐れず、無理なく楽しく続ける地域づくりを進めています。

◇“つくるよろこび”がつなぐ地域の輪
コミュニティこくふ

国府地区では、住民同士のつながりを深めるための地域活動の一環として、ものづくりを通じて交流を促進することを目的とした「つくるよろこび事業」を実施しています。

・つくるよろこび事業の取り組み
「つくるよろこび会」は、交流会を月2回開催してものづくりの楽しさを分かち合っています。
県の地域連携事業をきっかけに兵庫県立大学・甲南女子大学と連携し、作品を通じた交流の場として「つくるよろこび展」を開催。神戸の作家との交流会も行い、活動の輪を広げています。
子どもや若い世代にものづくりの魅力を伝えるためワークショップを開催するなど、作品を通じて作家と来場者がつながる場を作っています。地域マネージャーの上田美奈子(うえだみなこ)さんと支援員の磯田絵里子(いそだえりこ)さんは「広がった輪が有事の助け合いにもつながれば」と話します。

・「つくるよろこび会」はどんな場所?
参加メンバーに聞くと「1人で作るよりみんなで作る方が楽しい」「仕事終わりでも来たいと思える」「自分の作品を見た人の喜ぶ姿に“よろこんでもらうよろこび”を感じる」と、温かい言葉が寄せられました。

・誰もが安心して参加できる場に
国府地区では、毎月発行するたよりやSNSを活用し、コミュニティの事業や教室に関する情報を発信しています。西村一範(にしむらかずのり)会長は「今後も地域の拠点として住民同士の交流を促進し、心がふれあう温かな地域づくりを目指していきたい」と語ります。

問合せ:地域づくり課
【電話】21-9020