- 発行日 :
- 自治体名 : 兵庫県宝塚市
- 広報紙名 : 広報たからづか 2025年9月号No.1339
■関節リウマチの手足の手術
リウマチ科部長 柏木 聡
兵庫県出身。大分医科大学(現・大分大学医学部)卒業。尼崎医療生協病院のほか、札幌、名古屋、新潟などでの勤務や、ドイツへの海外派遣も経験。2007年に兵庫県に戻り、2022年に当院着任。日本整形外科学会専門医、日本リウマチ学会指導医・同専門医、日本リウマチ財団登録医、日本関節病学会認定医。
関節リウマチとは、体の免疫システムが自分の関節を誤って攻撃することで、関節に炎症が起き、痛みや腫れ、変形を引き起こす原因不明の病気です。症状は、体のさまざまな関節に現れますが、特に手や足などの小さな関節に多く発症します。炎症が長く続くと関節が変形し、今までできていた階段の上り下りや長距離の歩行、字を書く、箸を使うなど日常生活の動作が困難になっていきます。
近年では薬物治療が進歩し、早期に適切な治療を行うことで痛みや腫れなどの症状を防げるようになってきましたが、病気の進行を抑えきれず、関節に破壊や変形が出てくると元には戻らないため、手術が必要になることもあります。
以前は、関節を止めて動かなくする関節固定術がしばしば行われていましたが、最近では機能を回復させることを重視し、できるだけ関節の動きを保つ手術が増えています。
手の手術は、ものをつかむなどの動作をできる限り回復させることを目的に行われます。変形によって動作に支障が出てきた時は、骨の一部を削って関節を整える関節形成術や、金属やシリコンなどを用いて関節を再建する人工関節置換術が行われます。炎症が残っている関節には、炎症の原因である滑膜(かつまく)を取り除く手術を、手の筋が切れて指が動かなくなった時は断裂した筋を縫って修復する腱(けん)再建術が行われます。いずれも痛みの軽減だけでなく、関節を残したまま機能を改善できる手術です。
足の手術は、歩行などの運動機能を維持することを目的に行われます。膝や股関節などの大きな関節が傷んだ時だけでなく、外反母趾(ぼし)や趾(ゆび)の関節脱臼によって生じる痛みも、歩行への支障をきたします。手術を行うことで痛みをとり、全身の運動機能の低下を防ぎます。
手術を考える際には、「痛みを取る」「変形を進めない」「動きを保つ」という3つの視点が大切です。関節をできるだけ残して、手足の使いやすさを取り戻すために、適切なタイミングで手術を受けるようにしてください。
当院では、関節リウマチの手足の手術を積極的に行っています。関節の痛みや腫れがある時は、早めにかかりつけ医に相談し紹介状をお持ちの上、当院を受診してください。
■エフエム宝塚(83.5MHz)「市立病院の得した気分!」
日時:9月10日(水)10時半~11時
(再)9月12日(金)19時半~20時
テーマ:関節リウマチの手足の手術
出演:リウマチ科部長 柏木 聡
■糖尿病教室「糖尿病と食事のお話」
日時:9月30日(火)14時~15時
場所:市立病院 講堂2
定員(先着):30人
対象者:糖尿病と診断された人と家族(当院を受診していない人も参加可)
内容:管理栄養士による講義
申込み・問合せ:平日14時~16時に内科外来受付
【電話】87・1161【FAX】87・5624
■市民公開講座「腎臓病のおはなし」
日時:9月27日(土)14時~15時半
場所:ソリオホール(当日直接会場へ)
内容:腎臓の機能とその疾患、運動療法、食事療法など
問合せ:経営統括部
【電話】87・1161【FAX】87・5624
■がんサロン「セキレイ」(対面式とZoomの同時開催)
患者同士で悩みや体験を話す交流の場。県がんピアサポーター養成研修修了者とがん患者の家族が同席します。
日時:9月17日(水)15時~15時45分
場所:がん診療支援センター(現地参加は予約不要。開始10分前までに直接会場へ)
対象者:がん治療中の人と家族(当院を受診していない人も参加可)
問合せ:同センター
【電話】87・1161【FAX】87・5624
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問合せ:市立病院
【電話】87・1161【FAX】87・5624