- 発行日 :
- 自治体名 : 兵庫県三木市
- 広報紙名 : 広報みき 2025年12月号
■違いを認め合い、心でつながる「外国人の人権」
五百住会長のインタビューにもあったように、近年はさまざまな立場の人が共に暮らす時代となりました。中でも、ここ数年で外国人住民が急速に増えてきています。すべての人が安心して暮らせるまちをめざすため、今回はあらためて「外国人の人権」について考えてみましょう。
◇さらに増える外国人住民
外国人住民は、令和7年10月時点で2,900人を上回り、10年前の2・6倍に増えました。市民のおよそ4%を占め、約50ヵ国の外国人住民が生活しています。平成31年には、国が深刻化する人手不足に対応するため在留資格「特定技能」を創設したことで、製造業や介護、農業など、地域の幅広い分野で活躍しています。家族とともに定住する人も増え、外国人の子どもたちも多くなりました。一方で、急速な増加により、言葉や生活習慣の違いから生じるさまざまな課題が顕在化しており、今後は誰もが安心して暮らせる地域づくりがより一層求められています。
▽三木市の外国人住民の推移(H27~R7)

(令和7年は10月末時点の人口)
■〔実際に聞いてみた〕外国人住民が「差別」を受けたと感じたとき
私たちと同じ地域で暮らす外国人住民も、日常の中でさまざまな場面に不安や孤立を感じることがあります。令和4年に実施した「三木市多文化共生のまちづくりに関するアンケート調査」では、外国人住民が実際にどんな場面で差別を受けたと感じたのか、その声を聞きました。

■外国人住民の偏見や差別をなくす!3つの柱
市ではヘイトスピーチなど外国人住民への偏見や差別的言動をなくすために「三木市人権尊重のまちづくり基本計画」に掲げている3つの柱に基づき、教育・行政・地域が一体となって取り組んでいます。
◇人権教育・啓発の推進
・市内事業所に向けて、外国人住民の人権や多文化共生への理解促進を進める。
・外国人住民に対する偏見や差別的言動の解消のため、住民学習会などにおいて、多文化共生の意義について教育・啓発を実施する。
◇人権行政施策の推進
・すべての外国にルーツをもつ子どもが就学の機会を逸することのないよう、就学状況の管理・把握に努め、就学に向けた取組を推進する。
・労働関係法の遵守はもとより、外国人労働者の人権を尊重し、外国人労働者とその家族が安心して生活ができるよう労働環境の改善を働きかけるとともに、企業が抱える問題や課題に対する支援に努める。
◇人権尊重のまちづくりの展開
・日本人住民は、外国の文化や生活習慣などの理解に努め、外国人住民を地域社会の担い手として対等な仲間・パートナーとして受け入れるとともに交流を深める。
・外国人住民は必要な日本語習得、日本の文化、生活習慣や地域社会のルールについて学習するとともに、地域住民の一員として、日本人住民とともにさまざまな活動に参画し、地域社会に貢献できるよう努める。
■外国人住民が安心して暮らせるまちをめざして~地域住民・各種団体・企業・行政などが一体となって支える取組~
誰もが安心して生活できる地域づくりを進めるため、令和6年3月に「三木市多文化共生推進プラン」を策定しました。行政だけでなく、地域住民・各種団体・企業など、多様な主体が連携しながら実践する“チーム三木”の取組が、市内各地で広がっています。
■チーム三木で進める取組の一部を紹介
◇地域で理解を深める「学びの場」
住民学習:自治会ごとに内容を工夫した学習会を開き、外国人住民と地域住民がお互いの違いを認め合い、ともに尊重し合うための意識の高揚を図り、共生のまちづくりにつなげています。
◇安心して暮らすためのコミュニケーションの活性化
「やさしい日本語」での窓口対応・生活オリエンテーション:市で新たに生活を始めた外国人住民などを対象に、企業などと連携して、行政サービスをはじめ、地域で生活する上で必要なルールや習慣などを説明し、安心して生活するためのサポートをしています。
◇困ったときに気軽に相談できる窓口
外国人住民相談窓口:外国人住民が日常生活の中で困っていることや知りたいことを相談できるよう、「やさしい日本語」や多言語で対応する窓口を設けています。生活の不安を解消し、地域での安心につなげています。
◇文化や言葉を越えてつながる機会を創出
交流イベント:文化や言葉の壁をこえて地域で交流できるイベントを開催しています。セミナーや料理教室などの外国のさまざまな文化にふれるイベントや地域行事などを通じて、外国人住民と地域住民がつながり、互いを理解し合うきっかけをつくっています。
まずは私たちにできることから。小さな思いやりを積み重ねて、誰もが安心して暮らせるまちを共につくっていきましょう。
問合せ:(市)人権推進課 人権施策推進係
