くらし 〔特集2〕12月4日~10日は人権週間「みんなで築く、人権尊重のまち三木」(1)

~多様な人が安心して暮らせる社会をめざして~

「人権週間」を機に、あらためて身近な人権について考えてみませんか。今回は、平成26年から「三木市人権尊重のまちづくり推進審議会」の会長を務める五百住さんに、専門家の視点からみた市の人権施策の特徴や、これまで進めてきた取組、今後の課題や方向性などについて聞きました。

■人権尊重に向けた特徴的な取組
三木市では、平成13年に、県下の市では初となる人権に関する総合的な条例「三木市人権尊重のまちづくり条例」が施行されました。
この条例を基盤とし、市の最上位計画である「三木市総合計画」などと連携させながら、さまざまな施策に人権の視点を取り入れ、行政だけでなく地域や学校、事業者などと一体となって人権を大切にする仕組みづくりを進めてきたことが、三木市の大きな特徴です。
また、三木市の施策の取組状況や今後の課題を審議するため、多様な分野の市民団体から選出された委員や市民公募委員で構成された「三木市人権尊重のまちづくり推進審議会」が設けられています。
この審議会には市の幹部も出席しており、その場で直接意見交換することで、速やかに施策に反映できる体制を整えていることが、他市町にはない三木市ならではの強みであると感じています。
令和5年度に三木市が行った「三木市総合計画策定に関する市民アンケート」では、「だれもが平等で差別のないまちづくりに対する満足度」が55・7%であるという調査結果が出ています。
これは全国的に見ても高い数値であり、行政・地域住民・学校・事業者が一体となって密接に連携・調整し合い、一人一人の人権が尊重される明るく住みよい地域社会づくりをめざして取り組んでいる成果であると考えます。

■今後人権課題が進む方向性と、求められる人権施策
近年は社会の多様化が進み、三木市でも急速に増えている外国人をはじめ、障がいのある人や性的マイノリティ、高齢者など、さまざまな立場の人が共に暮らす時代です。今後さらに人権尊重のまちづくりを進めていくためには、特に次の点に重点を置き、あらゆる差別や人権侵害をなくそうとする啓発・教育を展開することが重要です。

(1)正しく知ることから始める
(2)日常の言動を見直す
(3)差別的な言動に対して声をあげる
(4)特に学校における人権教育に力を入れる
(5)ネット上の差別などに注意し、情報リテラシー※の教育に力を注ぐ
※情報を適切に収集・理解し、それらを有効に活用する能力

これからも、さまざまな人権課題を自分や自分の身近な人の問題と捉え、お互いの違いを受け入れ、相手の人権を尊重し、相手の立場に立って考えることが、みんなでめざす「人権尊重のまちづくり」には不可欠です。

▽インタビュー
三木市人権尊重のまちづくり推進審議会
兵庫県人権教育研究協議会
会長 五百住 満さん

問合せ:(市)人権推進課 人権施策推進係