- 発行日 :
- 自治体名 : 兵庫県三田市
- 広報紙名 : 広報さんだ 令和7年8月1日号
■INTERVIEW
▽〔気象センサー〕圃場(ほじょう)のリアルなデータが取得可能に
農事組合法人小柿営農(小柿) 小谷良徳(こたによしのり)さん
1台で半径3キロメートルの気象データ(気温、風速、降雨量など)を計測し、数分おきに送信される情報をアプリを通じてスマホで確認、他のメンバーと共有できます。局地的な気象データを把握・蓄積でき、種まきや苗植え、収穫などの時期を見極め、栽培計画を立てるのにも役立ちます。長年の「経験や勘」も大切ですが、今はデータが物を言う時代。スマート農業機械の導入を進め、若い人も参入しやすい環境づくりが必要だと感じています。
・スマホでいつでも確認できる
・太陽光で稼働
▽〔ドローン〕人手不足を解消時間も体力も節約!
個人事業主(加茂) 西中克仁(にしなかよしひと)さん
お米などへの農薬散布や除草作業を効率化しています。今まで1ヘクタールに数時間かかっていた防除(農薬をまく作業)が、ドローンではわずか10分で完了するなど、大幅な省力化を実現。ドローンの操縦には資格が必要ですが、約1週間で取得できます。維持費や法律改正への対応など、大変な部分もあります。今後は防除に加え、播はしゅ種(種をまくこと)などドローンの用途を広げていきたいです。
・フル充電で10分間飛行し、田んぼ1ヘクタールを防除
・1人で車に積み込みできるサイズ
▽〔田植え機〕田植え機任せで、まっすぐ定植できる
有限会社テスタモンテ(川除) 東和田敏宜(ひがしわだとしき)さん
GPSを活用した直進アシスト機能のおかげで、直進操舵のストレスから解放され、作業負担が軽減。後ろを振り返って作業の確認もできます。また、作業時間も短くなり、1日で植える量が導入前より増加しています。コストなど導入による課題もありますが、時間短縮や人件費削減などの効果が大きく、スマート農業のメリットを実感しています。
・まっすぐ均等に植えられる
・田植えと肥料投入を同時に行う
▽〔ラジコン草刈り機〕遠隔操作で暑い時期でも日陰などから作業できる
有限会社前澤エンジニアリング(東本庄) 前澤宏一(まえさわこういち)さん
地域の農業をサポートするため、効率的な作業を実現できる「ラジコン草刈り機」を導入しました。この機械は従来の作業時間を4分の1に短縮でき、負担軽減につながっています。操作が難しく慣れが必要ですが、「ラジコン」という名前の通り、作業が面白く感じる時もあります。こうしたスマート農業の取り組みを通じて、農業が子どもたちの将来の夢につながればうれしいです。
・遠隔操作で作業負担を軽減
・斜度60度までの作業に対応
■農業の持続的な発展を目指す三田市のこれから
農業振興課 由里匡也(ゆりまさや)さん
農業における担い手の減少や生産現場での人手不足が深刻化する中、生産性の効率化や省力化が求められています。
三田市では、こうした状況に対応するため、スマート農業機械の導入を支援する「スマート農業機械等導入支援事業(下記)」を令和4年度から実施しています。
この取り組みは、導入コストを軽減し、農業の効率化を後押しするものです。
今後、人口減少や高齢化が進んでも、多様な世代が農業に参加できる仕組みづくりを進め、本市の農業を持続可能な形で未来に引き継ぐことを目指しています。
■スマート農業機械等導入支援事業
スマート農業機械などの導入を支援します。
補助額:購入費の2分の1以内(スマート農業機械1台あたり最大30万円)
補助対象:ドローン(薬剤などの散布用)、リモコン式草刈り機、水管理(水位など)システムなど、ロボット技術やIоTなどの先端技術を活用した機器
申請書類:必要書類(本紙掲載2次元コードからダウンロード)と本人確認書類(運転免許証など)を窓口に提出
※詳細は市HP
問い合わせ:農業振興課
【電話】559-5089【FAX】556-8153