くらし 【特集】農業最前線!持続可能な農業のカタチ 未来を耕すスマート農業(1)

三田のおいしい農作物をこれからもみなさんに届けられるように

皆さんが一度は口にしたことのあるおいしい三田米をはじめとする三田産の農作物は、農業に従事する人たちの絶え間ない取り組みにより生産されています。しかし、三田市でも農業従事者の高齢化が進み、三田市の基幹事業である農業が衰退してしまいかねません。
そこで市は、ロボットやAI、IоT、ドローンなどの先端技術を活用する「スマート農業」を推進しています。今回の特集では、農業の「現在」に触れながら、市内でスマート農業に挑戦している農業者の声やスマート農業機械導入にあたっての支援事業を紹介します。

■農業の担い手不足が加速
全国的に農業従事者の高齢化が進んでおり、三田市においては、70歳以上の割合が約半数を占めています(令和6年3月時点)。
後継者不足により、技術や知識の継承が難しくなる懸念がある一方で、ベテラン農業者の引退により、農業の労働力不足が深刻化しています。

■スマート農業の取り組み
そこで、全国で進められているのが、AIやロボットなど最先端テクノロジーを取り入れた「スマート農業」です。
スマート農業は、省力化による生産性向上やベテラン農業者のノウハウの可視化、緻密な栽培管理などが可能となります。これまで培われてきた技術と新たなテクノロジーを組み合わせて、持続可能な農業を実現することができます。

■スマート農業ってどんなものがあるの?
農薬などを散布するドローンや自動走行が可能なトラクターなどの農業機械、水田の水管理をスマートフォン一つでできるシステムなどがあります。市内でも導入され、活躍しています。
ここでは、農業の効率化や品質向上を実現し、持続可能な農業の明るい未来を切り開く「スマート農業」の取り組み事例を紹介します。

次頁(ページ)では、市内でスマート農業機械を導入している農業者にインタビューし、リアルな声を聞きました。

■スマート農業事例
▽田んぼの水管理
・毎日田んぼの水位を目視でチェック…
・水が減ったら現地まで行って給水
田んぼの水位・水温などを各種センサーで自動測定し、スマートフォンなどで、いつでもどこでも確認が可能。給水口などの遠隔操作もでき、田んぼの見回り作業が大幅に省力化できます。水位が下がった時や低温・高温の時は、スマートフォンに警告が送られ迅速な対応が可能に。

▽ハウス内の温度管理
・ハウス内の環境維持(温度、湿度、CO2ガスなど)に、人手・労力・経験が必要
ハウス内外の環境(温湿度、日射量、風速、CO2濃度など)を各種センサーで自動測定し、タブレットなどで確認可能。データに基づく栽培により、ハウス内環境を最適に保ち、高品質化や収穫量の増加・安定化を実現できます。

▽高性能田植え機
・高齢化の進行や後継者不足による労働力不足
・熟練者の手作業でなければできない作業が多い
田植え機に搭載されているスマート技術により、直進・旋回およびハンドル操作をアシストします。熟練者並みの速度と精度で植え付けが可能に。