- 発行日 :
- 自治体名 : 兵庫県朝来市
- 広報紙名 : 広報朝来 令和7年3月号
■朝来市小学6年生と中学3年生の学力と学習状況、生活習慣や学習環境等に関する質問紙調査の分析結果
●調査の概要
「全国学力・学習状況調査」は、義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析し、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図るとともに、これらの取り組みを通じて、教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立すること、また、学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善などに役立てることが目的です。
この調査によって測定できるのは学力の一部分であり、学校における教育活動の一側面となります。さらに、テストではなく、調査と銘打たれていることから、正答率の高さではなく、考え方が定着しているかどうかを確認するためのものであると言えます。そして、出題構成は、学習指導要領がめざす授業づくりによって身に付けさせたい資質・能力に関するものが中心となっています。
○調査内容
国語、算数・数学、児童生徒に対する生活習慣や学習環境などに関する質問
○調査結果の分析(教科)
・小学生
国語…全国・県平均と同程度
算数…全国・県平均と同程度
・中学生
国語…全国・県平均と同程度
数学…全国と同程度
県平均をやや下回る
●今後に向けて
今年度の調査結果分析から、朝来市の児童生徒の学力については、基礎的・基本的な学力は小・中学校とも、おおむね定着していると考えられます。しかし、課題とされる資質・能力については、その多くがここ数年同じであり、これまで以上に授業改善に関する取り組みが必要な状況が見受けられます。特に、「書くこと」と「無回答率の高さ」は、小・中学校共通の課題であり、その改善を目指して取り組むことが必要です。
本市では、「小小連携推進事業」や中学校区ごとの「小中連携推進事業」を実施して実践の共有と系統化を図るとともに、各校で同調査を分析し、抱える課題とその課題解決に向けた取り組みを協議し、学習状況の改善や教員の指導力の向上を図り、子どもたちの学習意欲や学力向上に取り組んでいます。今回の分析をもとに、「自分の考えを整理するための時間の確保」や「書く活動を多く設定すること」、「自分の考えを説明し合う活動を多く設定すること」を重視した授業展開の充実に取り組んでいきます。
また、平成26年度から取り組んでいる「授業のユニバーサルデザイン化モデル研究事業」においては、「授業づくりのユニバーサルデザイン化事業」として進化させ、児童一人一人の学びやすさに通じる授業改善と一人一台のタブレット端末の活用を組み合わせることで「個別最適な学びと協働的な学び」の一体的な充実を図っています。さらに、今年度本市が作成した「授業づくりのユニバーサルデザイン化事業」に関する動画資料を活用した校内研修を実施し、子どもたちの声を生かした『生きる力』を育てる教育の充実を目指します。
今後も、学校運営協議会をはじめ地域の皆さんと協働して、朝来市の子どもたちが「分かる喜び」「できる喜び」を実感できる学校教育活動に取り組んでいきます。
●SNSなどのネット利用やネットリテラシーを考えよう
普段(月曜日から金曜日)、1日当たり2時間以上テレビゲームや動画視聴をしている生徒が全国では約50%います。(朝来市も同様)。そのような中、携帯電話・スマートフォンやコンピュータの使い方について、家の人と約束がない生徒が朝来市には、約20%います。このことが、学習や読書などの時間を取ることができない一因かと考えられます。
そこで、これらをふまえ市内中学校では、生徒会を中心にスマートフォンなどとのより望ましい付き合い方を目指し、取り組んでいる例があります。
各ご家庭でも、携帯電話・スマートフォンやコンピュータとのより良い付き合い方などの使用ルールづくりをお願いしたいと思います。一緒に話し合いながら使用ルールを設定することで、子どもたちも納得感が得られ、家庭学習や読書などの時間を確保していくことができると考えます。