文化 ボコブザ・ローラのぱらりらぽん

●第25話 秋と言えばココア
フランスでは夏に外で太陽を楽しみますが、秋になると家でゆっくり過ごす人が増えます。日が短くなり、寒さも感じ始める時期で、温かい雰囲気が求められます。中でも人気なのが、本を読みながら味わうココアです。
ところで、ココアの歴史をご存じでしょうか。もともとラテンアメリカで生まれ、砂糖を使わず、水と唐辛子などのスパイスを加えた「xocoatl(ショコアトル)」と呼ばれる飲み物でした。疲れを癒やし、力を与えると信じられ、薬や儀式に用いられていたようです。
17世紀にスペイン人が砂糖を加え、甘いココアが誕生しました。フランスにも伝わり、当時は貴族だけが楽しめる贅沢品でしたが、19世紀にはココアパウダーの発明で一般にも親しまれるようになりました。
現在、カカオ豆の主な生産地は南米ではなく、アフリカのコートジボワールやガーナです。秋にココアを味わうとき、その温かさとともに、遠い国々の歴史についても学びましょう。

人権推進課国際交流員:ボコブザ・ローラ