- 発行日 :
- 自治体名 : 兵庫県市川町
- 広報紙名 : 広報いちかわ 2025年5月号
感性豊かな人・まちづくりをめざして
◆社会におけるこどもの人権
▽本年度の住民研修DVD「あなたのいる庭」
「あなたのいる庭」は兵庫県人権啓発協会が作成したDVDで、本年度の住民研修にて視聴する予定です。35分のドラマ仕立てです。
《内容紹介》
写真の中央の少女は高校2年生、左の少年は小学2年生。ともに児童養護施設で暮らしています。主人公は右端の女性です。彼女は一人暮らしで、阪神淡路大震災で夫と娘を失くしています。演ずる女優は、南野陽子さんです。彼女と施設児童との交流を描く中で、保護者と一緒に暮らせないこどもたちの人権を考えるものです。
▽保護者と一緒に暮らせないこどもたち
日本において保護者と一緒に暮らせない児童の数は、現在約4万2000人です。この場合の児童というのは、0歳~18歳未満を指します。児童の受入れ先は、里親等の委託家庭が全体の約4分の1です。残る4分の3が施設に入所しています。施設は、0歳児なら乳児院、1歳以上なら児童養護施設が、主たる受入れ先となります。
一緒に暮らせない理由としては、保護者との死別、保護者の長期入院や拘束、保護者による遺棄等がありますが、現在最も多い理由は、保護者による虐待です。虐待により保護者から引き離すケースが多いのです。
現在、虐待を理由に保護されている児童は、児童養護施設では入所者の7割にもなります。乳児院では約半数です。乳児院の場合、望まない妊娠・出産により養育できずに入所というケースも多くなります。
▽児童虐待対応件数
児童虐待には児童相談所が対応します。左のグラフは、全国の児童相談所が虐待の相談および通告を受けた件数です。グラフが右肩上がりなのは、平成11年の児童虐待防止法で、虐待疑いのある場合の通告が義務付けられ、その趣旨が広く浸透していったからです。虐待が増えたというより、発見が増えたのです。情報提供は警察が最も多く、これが全体の50%を超えます。次いで、近隣知人・家族親戚・学校等からとなります。
令和4年度の対応件数21万4843件のうち、安全のために一時保護をしたのが2万9455件で、施設や里親での保護に至ったのが4450件でした。
○児童相談所の虐待対応件数の推移
▽虐待かも?と思ったら
啓発DVD「あなたのいる庭」では、主役の高校2年生の少女は、母親からの心理的虐待とネグレクトで、7歳から児童養護施設に入所という設定です。心理的虐待とは、「あなたなんか産まなきゃよかった」のような暴言や無視により傷つけるものです。ネグレクトとは、育児放棄です。幼い子を家に残しての外出、食事や衣服の世話をしないなどです。
今、児童相談所への相談・通告で一番多いのは心理的虐待で約60%です。次いで身体的虐待、ネグレクトと続きます。少ないですが性的な虐待もあります。
児童虐待?
【電話】189(いちはやく)
▽政府広報オンラインより
児童虐待かも?と思ったら、虐待対応ダイヤル189に電話してください。市川町ならば姫路こども家庭センターに繋がります。電話した人の個人情報や電話内容の秘密は守られます。
問合せ:生涯学習課 人権教育啓発係
【電話】26-0001