文化 未来へ“つなぐ”地域の宝もの

文化財に関わる新温泉町民の輪を広げ、また、子どもから大人までの幅広い年代の方に興味・関心を深めてもらうため、町内に数多く分布する文化財を隔月で紹介します。

■第17回木造不動明王立像
湯村温泉街の中心部に位置する天龍山正福寺には、高さ約134cmの不動明王立像が安置されています。頭や胴体などの主要なパーツを1本の木材から彫り出す「一木造り」と呼ばれる手法で制作されています。表情が「忿怒の相」と呼ばれる険しい表情ではなく引き締まった顔つきをしており、全体的に素朴なつくりをしています。平安時代の仏像によくみられる「翻波式手法」(高い波と低い波を組み合わせて彫り込むことで衣のシワを立体的に表現する技法)が使われていることから、平安時代中期以前に制作されたこと、また都市部ではなく地元の職人の手によるものであると推測されます。
木造不動明王立像は秘仏とされ、21年に1度だけ御開帳が行われる際に人々の前に姿を現します。今年はその御開帳の年にあたり、11月1日から3日まで公開される予定です。
(昭和41年3月22日県指定重要文化財)

問合せ:生涯教育課文化財室
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