- 発行日 :
- 自治体名 : 奈良県山添村
- 広報紙名 : 広報やまぞえ 令和7年4月号
場所:山添村大字中之庄(なかのしょう)
年代:不明
説明:8月24日は、かつて地区の人が区のはずれの子安地蔵さんに集まり、年に一度のお籠(こも)りを行っていました。現在は、同じ日に個人でお菓子、お花、線香を持ってお参りを続けています。
子安地蔵は、安産の菩薩(ぼさつ)で妊婦が腹帯(はらおび)を巻く前に(戌の日)子安さんにお参りをして、紙で作った紅白の腹帯を地蔵さんに巻き安産の祈願をします。(昔は家に帰って安産を祈願しながら妊婦に腹帯を巻き、陣痛が起きると夫が素早く水をもって子安さんに行き「手水鉢(ちょうずばち)」に水を張り、安産の祈願をして水栓を抜くようなこともしていました。)
子安地蔵には村の人だけでなく他の地域の人も時たまではありますが、訪れることがあります。
場所:山添村大字吉田(よしだ)
年代:不明
説明:岩尾神社は大字吉田の氏神(うじがみ)様で、神社の名も岩尾(いわお:大きな石の意味)と呼ぶように、巨大な2つの自然石を御神体(ごしんたい)とし、その間に祠(ほこら)を設けて祭られています。2つのご神体のうち、神社に向かって左は男性、右は女性を模(も)しているといわれています。
伝承では、大昔に、この地に岩尾大神が降臨された際に持参されたと伝えられる「箪笥(たんす)」「長持(ながもち)」「鏡台(きょうだい)」などが岩石となって、現在は箪笥(たんす)、長持(ながもち)、葛石(くずいし)、鏡石(かがみいし)などと名づけられた岩となっています。他にも岩尾神社には、襷(たすき)の跡のある巨岩、馬の蹄跡(ていせき)のある石、一荷(いっか)にして運ばれたという庭の石などがあり、巨岩崇拝の伝承として極めて貴重な存在となっています。