くらし 議会だより 令和7年 第3回 山添村議会定例会の結果(5)

〔質問〕大谷敏治 議員
▽安心、安全のむらづくり
1.新型コロナウイルス感染症における感染症防止対策や支援策の記録と検証について
新型コロナウイルス感染症の経験を踏まえ、過去に例のない未曾有の事態となった今回の感染症に係わるわが村の記録を残し、この経験を継承して新しい感染症が発生した際の対応に活かす必要があると考えるがわが村のご見解をお伺いする。
2.耐震シェルター設置に対する補助制度の創設と住宅耐震化に係わる助成事業の拡充について
村民の命を守るため、耐震改修工事と比較して費用が安価で工事や設置も容易であり家屋が倒壊した場合でも局所的な安全空間を確保できる室内用耐震シェルター設置に対する補助制度の創設と住宅の耐震化に係わる助成事業の拡充についてお伺いする。
3.災害時のペット受け入れ体制について
ペットは家族の一員である。南海トラフ地震など大規模災害の発生時に環境省が定めるガイドラインに近づけていくべきと考える。災害時のペットの受け入れの支援をすることが必要と考えるがわが村のご見解をお伺いする。

〔答弁〕野村 村長
新型コロナウイルス感染症における感染症防止対策や支援策の記録と検証について、日本では令和2年1月に初の感染者が確認され、その後、令和5年5月の5類感染症への移行までの間、延べ3千3百万人余りの方が感染した。新型コロナウイルスの特徴は、感染力が強いにもかかわらず、軽症や無症状の患者も多く、逆に基礎疾患を持つ患者や高齢者は短期間で重症化となる点である。新型コロナウイルスは、無症状感染者が広く行動することにより感染を拡大し、その後、感染の第1波、第2波、第3波と大きな波が押し寄せるごとに、感染者が増加してきた。現在は、減少傾向にあるものの新型コロナウイルスの感染は今なお続いている。対策として、飛沫感染を防ぐためマスクの着用、手洗いの励行が行われ、令和3年2月からワクチン接種が開始された。山添村においても、国の指針に基づき村民へのワクチン接種、マスク着用・手洗いなどの周知を行い、その時の資料などは保存している。今後の新規感染症の対策については、未知の感染症には効果的な治療の情報もなく、ワクチン等の開発には時間がかかるので、今回の経験を活かし、まずはマスクの着用と手洗いを基本の対策とし、慌てず冷静に対応することが必要だと考えている。
また、今回の騒動の中、残念なことに、感染者や医療従事者に対する誹謗中傷等の差別事象があったのも事実である。これは、未知の感染症に対する間違った情報によるものであり、繰返してはならないことである。村としても正しい情報の発信に努め、このような差別が起こらぬよう努めてまいる。
次に、耐震シェルターと住宅耐震化について、常時居住されている昭和56年以前に建築された木造住宅を対象に、耐震診断事業と耐震改修工事への補助事業、宅地や周辺土地の法面補強などの防災対策工事への補助事業を実施しているが、耐震シェルター設置については、これまで設置への補助要望を承ったことはなく、補助対象としていないが、人命を守る手段として対策経費が比較的安価で、高い効果があるものとして承知しいる。県は令和3年度限りでニーズが無いとの理由から耐震シェルター設置への補助事業を廃止しており消極姿勢であることに加え、国は補助対象としているが耐震診断や改修工事をメインに推進しており、その効果を促進するための補助的事業と位置づけており、財源が潤沢に準備されていない。そのような財源状況も考慮した上で、村民のニーズに応じて、補助対象への追加を検討する。また、既存の補助事業の拡充について、財源確保の観点から国の要綱を基準とした補助率や補助額を採用しており、支援の拡充を行うには村独自の財源確保が必要となる。安全で安心な住環境の確保は村の責務と考えているが、国・県の少ない支援の中、現状をしっかり維持して取組んでまいりたいと考える。なお、国・県には、支援が拡充されるよう要望活動にもより注力して取組んでまいるので、ご理解ご協力をお願いする。
最後に、災害時のペットの受け入れ体制について、警報等発令時に、まず東山公民館、豊原公民館、総合スポーツセンターの3避難所を開設し、その後の避難状況に応じて、他の避難所を開設する計画としている。3避難所を中心に、非常食や毛布等の整備に加え、今年度は簡易ベッドの購入も予定しており、まずは避難者の方への避難用品、設備の充実に取組んでいるところである。また、ガーディアン72と連携し72時間生活できる用品の入った防災BOXも導入している。避難所でのペットの受け入れについては、避難者の中には、動物アレルギーの方や病気により免疫が低下されている方もおられる可能性があり、避難者スペースとペットスペースとの区分けが必要であるため、現在ペット受入れ可能な避難所は設定していない。今後は、まず、避難者の方の用品・設備の充実に力を入れ、その後、ペットの受け入れ可能施設の検討をしてまいる。