くらし 特集 甘みたっぷり 平群のぶどう

太陽と大地の恵みをたっぷり浴びて育った平群町自慢のぶどう。ふるさと納税でも人気の品で県内トップの作付面積を誇ります。その芳醇な香りと濃厚な甘さの魅力に迫りました。

■県内トップの作付面積
平群町は信貴山の麓に位置し、南向きの斜面が多く、日照時間を長く確保できます。また、昼夜の寒暖差が大きく水はけの良い土壌で、甘くて美味しいぶどうを育むのに最適な環境が揃っています。
それに加え、生産者の方々による長きにわたる地道な栽培努力により、品質の良いぶどうを安定して出荷できています。

■デラウェアはなぜ種がないの?
平群町で古くから親しまれているデラウェア。ひと房ずつ丁寧にジベレリン処理を行うことで、種が無い食べやすいデラウェアができます。

◇ジベレリン処理って?
ぶどうの種を無くすために行う処理のこと。
ジベレリンは植物ホルモンの一種で、開花の前後につぼみをジベレリン液に浸すことで、受粉しなくても種が無く果実を大きく育てることができます。

■平群町で食べられる主なぶどう
◇デラウェア
収穫時期6月~8月中旬
特徴:
・小粒で種がない。
・果皮が薄く、皮ごと食べやすい。
・強い甘みとほどよい酸味があり、さっぱりとした味わい。

◇ピオーネ
収穫時期8月中旬~9月上旬
特徴:
・巨峰とカノンホールマスカットを掛け合わせた品種
・粒は巨峰よりもひと回り大きい。
・皮をむいて食べやすい。
・日持ちが良い。

◇巨峰
収穫時期7月初旬~8月中旬
特徴:
・果皮は黒紫色で、大粒。
・甘みが強く、果肉が厚く、果汁も豊富。
・コクのある濃厚な香りが強い。

◇シャインマスカット
収穫時期7月中旬~8月下旬
特徴:
・大粒で種がなく、皮ごと食べられる。
・糖度が高く、爽やかな香りが強い。
・果肉が締まり、歯ごたえがある。

■生産者の想い~新大信貴葡萄出荷組合の皆さん
・新大信貴葡萄出荷組合 組合長 奥田良行さん
・副組合長 奥田宗弘さん

◇品質の良さで勝負!
県内最大のぶどうの産地として知られる椹原(ふしはら)地区には、先祖代々のぶどう農家を引き継いだ生産者が多く、そのほとんどが新大信貴葡萄出荷組合に加入しています。
当組合での共選出荷により、3つの市場(奈良大果・京都南部青果・京都青果合同)に安定した量を出荷し、全国各地に届けています。
都市近郊地の強みを生かし、新鮮・安全・安心の品質の良さで他産地との差別化を図っており、「各市場からも甘くて、おいしいぶどうと高評価を受けていることが嬉しく自慢だ。」と奥田組合長は話されていました。

◇長年にわたり培われた技術と経験による栽培
ぶどうは、湿気にとても弱く、梅雨の時期には、水分を吸いすぎて、皮が破ける「裂果(れっか)」が発生します。ハウス栽培を行うことで表面的な水分はある程度防ぐことはできますが、検品作業に時間がかかってしまうそうです。
一方で寒い時期に、ハウス内を加温し一定の温度を保つことで、早く実がなり、より早い時期に出荷することが可能になります。
また、新芽の段階で芽の選別を行うことで、成熟した際に房同士がぶつからず、綺麗なぶどうができます。
このように、実がなる前の1年間を通して様々な栽培努力がなされていました。

◇「平群町はぶどうの名産地」をもっと広めたい!
奥田組合長は、「後継者不足等の課題はあるが、町内在住の方でもまだまだ、平群町がぶどうの名産地であることを知らない方がたくさんいる。町内の給食や近畿大学病院の病院食にも提供している平群町のぶどうを、町内に住んでいる皆さんを含め、もっとたくさんの人に知ってもらいたい!おいしいぶどうを作りたい!」という熱い想いを原動力に日々おいしいぶどう作りに励んでおられました。

◇平群ブランドを認定
町では、平群の魅力を育む地域資源にそれぞれ基準を設け、「平群ブランド」を認定しています。新大信貴葡萄出荷組合が栽培するデラウェア、〔等級…(秀)、階級…(2L以上[150g以上])、形状…(粒揃い)〕・巨峰、〔等級…(赤秀)、階級…(300g以上)、形状…(粒揃い)〕を認定しています。

■ふるさと納税の返礼品にも!
ふるさと納税の返礼品としても取り扱っており、大変人気の商品となっています。
(※町内の方は返礼品は受け取れません。)

この夏、ぜひこの機会に、デラウェア・巨峰など地域の特産物を食べて、町外の方にもおすすめしてみてくださいね。

■どちらが甘い?ぶどうの房 上?下?
普段、何気なく食べているぶどうですが、房の上と下、どちらの果実が甘いか知っていますか?
正解は…上!
ぶどうは太陽の光を浴びて、枝に近い果実から熟すため、枝に近い上の果実の方が甘くなります。そのため、下から順に食べていくことで、徐々に甘みが増して、より美味しく最後まで食べられます。