- 発行日 :
- 自治体名 : 奈良県三宅町
- 広報紙名 : 広報みやけ 令和7年6月号
皆様は病院内の臨床検査技師という仕事をご存じでしょうか。例えば体調が悪くなり病院へ行くと病気の原因を調べるために、血液検査や心電図検査、腹部エコーなどの検査が行われます。
これらの検査を担当し医師に結果報告するのが臨床検査技師です。検査の専門家として当院の検査科では6名で行っています。それでは、当院の検査内容を以下に紹介致します。
■検体検査
患者様から採取した血液や尿などの検体を分析します。
(1)血液中の血液成分(白血球、赤血球、血小板)の数や形、機能を検査します。
貧血や白血病などの様々な血液疾患を見つけることができます。
血液の凝固を促進または阻害する成分を測定しています。
(2)生化学検査
生化学検査は血液を遠心分離してできた血清成分を分析して、血液中の酵素、脂質、無機質など様々な項目を測定しています。
この検査には肝機能、腎機能、脂質、糖尿病、感染症、腫瘍マーカーなど非常にたくさんの分析項目があります。
■生理機能検査
超音波検査、心電図、脳波、呼吸機能検査、聴力、視力検査、ABIなど患者様からの直接情報を記録して体の状態を調べます。
(1)心電図検査・ABI(動脈硬化指数検査)
心臓の拍動を電気現象として捉えるのが心電図検査です。心臓の脈の乱れや狭心症などの病気を調べることができます。また心臓の拍動によって発生する脈圧や心音を波形として記録し心臓、血管系、動脈硬化の程度なども確認できます。
(2)脳波検査
脳から出ている電気信号を増幅して記録するのが脳波検査です。最近では睡眠時無呼吸の重症度や脳死の判定、てんかん発作の反応を検査します。
(3)超音波検査
超音波検査は超音波を用いて体内の組織を画像化し、異常の有無を判断します。この検査では、腹部、乳腺、心臓、体表、下肢静脈、甲状腺、頸動脈などあらゆる箇所で使用し検査しています。
他にも多数の検査種類がありますが、国保中央病院検査室では患者様から提供された検体や生理機能情報のデータを正確、迅速に医師に報告し、診断の材料を提供することを心掛けております。
臨床検査技師 百地直人先生