くらし 令和7年9月 定例村議会 一般質問(2)

■遠藤企画政策課長
(1)令和4年度入庁の当該職員は4年度から外部団体である奈良県猟友会上北山支部会計を担い、令和5年度から本課に事務局を置く外部団体である上北山村観光協会及び上北山村地域活性化イベント実行委員会の会計も担うようになり、さらに、狩猟免許を取得し、奈良県猟友会上北山支部にも加入したことから、実質的にも同支部の会計担当者となっていました。
また当時、企画政策課内の状況として課長、主幹を除いて、令和5年度4月1日時点在籍課員6名の内、1人が5月末で退職、1人は6月から病気休暇となっており、課長、主幹を除いて当該職員を含む実質4人の課員で5年度事業を遂行していました。
6年度には、この4人のうち2人と主幹が人事異動で異動となったため、業務内容の把握が容易でなくなり、各々の業務内容の把握やカバーが困難になっていました。
このようなこともあり、本来なら令和6年4月から7月頃までの間に各種団体について決算処理をするところ、なされずに時間が経過してしまいました。課長、主幹からは当該職員に対し、会計業務の処理を行うよう再三に渡り注意はしていましたが、一向になされませんでした。その後、当該職員が令和7年3月末での退職意向を示したため、更に、会計業務のみならず行政業務についても処理を行うように指導しましたが、一向に報告されず、令和7年3月から本課の主幹が業務を詳しく調べると、当該職員が関わる外部団体の通帳において不明瞭なお金の出入りがあり、書類も整っていないことが発覚しました。そのため書類整備を指示するとともに、3月10日から28日までの間に3回に渡り課長と主幹で聞き取りを行いました。回答内容がその都度変わることから、このまま退職されては真相究明ができないと判断し、退職願を保留扱いとし、引き続き調査を継続しました。
3月末までの調査により、上北山村観光協会、大台ヶ原登録ガイド制度会計、上北山村地域活性化イベント実行委員会、上北山村鳥獣被害防止対策協議会、奈良県猟友会上北山支部の他、私的な会の企画政策課親睦会も含めて、6つの会計において不必要な出金、入金、不明金が明らかになりましたが、詳細については不明なままでした。
7年度に入り、4月1日、2日と前課長、主幹が当該職員への聞き取りを行いましたが、4月3日からは、当該職員は体調不良で休暇となり、この間に警察、法律事務所へ事案についての相談を行いました。また、内部調査を進めた結果、先の6つの会計のうち、不明金が存在するのは、上北山村地域活性化イベント実行委員会、奈良県猟友会上北山支部、企画政策課親睦会の3つであることが判明しました。
当該職員から4月21日には出勤する旨の連絡があったものの、途中で交通事故を起こし負傷したため、更に休暇延長となり自宅加療であったことから、真相究明への聞き取りをするために、4月30日付けで弁明機会の付与の文書を発出し5月13日に出勤するよう期日指定しましたが、出勤予定前日に当該職員から「体調が悪く、休ませて欲しい」と連絡があり、診断書も出ていなかったため診断書提出を催促し、その後のやり取りで5月14日の病院での受診時に直接聞き取り面談することとなりました。
その後も、体調的に可能なら出勤するよう促しましが出勤することは無く、その間に法律相談、聞き取り面談、警察相談等を行い、6月27日付けにて上北山村地域活性化イベント実行委員会の60万円の紛失の件を以って、停職6ヶ月の懲戒処分とされたところです。
発覚から処分に至るまで約3か月を要したのは、当該職員の体調不良、交通事故等により出勤せず、直接事実確認が出来なかったことが大きな要因です。また、再三に渡る聞き取りに対して当該職員が会計業務を行っていた各種団体不明金についてはわからないと述べており、唯一、イベント実行委員会の60万円の不明金支出は令和6年10月に行われており、これについてのみ本人が紛失したと述べていることから、この件を以って処分が行われました。

■村長
(2)本件の核心は、職務分掌と相互牽制の不足、現金・ATM依存の慣行、通帳・印鑑等の物理管理の脆弱さ、そして管理職のリスク感度と日常監督の不足にあると認識しています。今回の不祥事を受け、再発防止を最優先に、準公金の適正な取扱いを確保するための基本的な枠組みとして、「準公金取扱規程」を新たに策定し、準公金に関する事務の届出、帳簿の作成、収支の記録、定期的な報告や監査といった管理手順を明文化し、従来あいまいであった部分を明確に位置づけました。また本村の人員体制上、所管職員が外部団体の会計実務を一律に禁ずることは困難ですが、村職員のみで抱え込まない体制づくりを検討してまいります。やむを得ず兼務となる場合でも不正の余地を与えないよう、次の対策を直ちに実装します。
・準公金の収入や支出、現金管理について、担当者が単独で処理することを避け、複数の職員が関与する仕組みを整えます。具体的には、支払いに際しては起案・確認・承認を分担し、金銭の授受については二人以上での立ち会いを原則とします。例外的に単独処理とする場合には、補完措置として、所属長の事前決裁、翌開庁日までに後確認、帳簿・預金通帳・証憑書類の三点照合を併行して実施します。
・現金抑制とATM出金の原則禁止。支払は口座振込とし、やむを得ず現金となる場合は事前決裁・金種表・受領確認を必須化します。
・日次確認と月次照合、証憑の一連紐づけ。通帳、帳簿、証憑の三点突合を標準化し、決裁から検収、請求、領収までの連続性を確保します。
・情報公開と透明性の確保。これまでは年度末にまとめた報告を監査に付してましたが、今後は半年ごとに収支状況を整理し監査委員に報告するなど、外部の目に常に触れる体制をつくります。
・職員研修による意識改革。
準公金は村民の信頼を背負うものであるという意識を全職員が持つことが肝要であり、今後、コンプライアンス研修を行い、不適正な取扱いを決して許さないという風土を育みます。

(3)今後は次のとおり運用を見直します。
・会計報告の厳格化
補助金を受ける全ての団体に対し、監査報告書の提出を必須とします。書類の不備や遅延がある場合、翌年度の補助金交付に影響し得ることを明確化します。
・収支報告確認時の照合の対象を限定します。
少人数体制の実情を踏まえ、村職員が会計実務として関与している任意団体に限り、年度末に監査報告書の内容を補完する形で、通帳写しや主要証憑との照合を実施します。これ以外の団体については、提出された監査報告書の内容確認を基本とし、必要に応じて追加資料の提出を求める取扱いとします。
・一律の会計チェック体制の明確化。
団体の規模や事業内容にかかわらず共通に求める基準として、「提出期限の厳守」「監査報告書の内容の妥当性・整合性の確認」「主要経費の支出目的・金額・事業期間との適合性の確認」を一律に適用します。その上で、証憑・通帳写しとの個別照合は村職員が役員や会計実務として関与している任意団体に限定して実施し、限られた体制の中でも実効性を確保します。