- 発行日 :
- 自治体名 : 和歌山県高野町
- 広報紙名 : 広報高野 令和7年4月号
新年度に向けての議会において議案等34件を承認いただき、まもなく令和7年度を迎えます。
町として大きな事業であった「学びの交流拠点整備事業」も山を越えて新年度からは旧施設の除却を数年かけて進めてまいりたいと思います。
さて、昨年9月に開館した「高野山学びの杜」は、地域住民と教育関係者が複数回のワークショップを通じて意見を出し合い、共創の理念で設計されためずらしい施設です。この施設は、地域の皆さんと子どもたちが共に学び、成長できる場を提供することを目指しています。
開館から半年間の運営を通じて得られた成果と課題について振り返ります。
まず、教員同士の連携が大きく進みました。小中学校の職員室が統合され、教員たちは情報を交換し合いながら、指導方法の共有が行われています。
また、児童生徒同士の異学年交流も活発に行われ、小学生が中学生をお手本にし、中学生が小学生をサポートするシーンが多く見られ、交流の輪が広がっています。
次に、「まんなかライブラリー」では、学校図書館と公民館図書室が統合した、児童生徒にとって魅力的な読書環境を整えました。書籍が施設中央に配置され、本に触れる機会が増えた結果、児童生徒の読書率は移転前よりアップするなど、読書への関心が高まっています。
その「まんなかライブラリー」は、地域住民の利用も増加しています。図書の貸出冊数は移転前に比べて約3.4倍アップし、月ごとの利用者数も約2.5倍にアップするなど、休日には多くの町民が読書や学習を楽しんでいます。また、施設内には会議室や休憩スペースが設けられ、地域の皆さんが交流する場としても活用されています。
小・中学校の通学方法についても従来の徒歩通学等に加え、「公共交通を利用したバス通学」が導入されました。これにより、通学路の安全性や低学年児童の通学距離の課題は以前よりは改善されたのではないかと思います。
今後の課題として、地域住民同士の交流がもっと深まる施設としての活用が求められてることから、利用しやすく楽しめるような事業の企画やPR活動も必要であると感じております。より多くの町民に「高野山学びの杜」を利用していただけるよう努めていくとともに、この施設が地域の皆さんに愛され、より一層活気のある場所となるよう、これからも一歩ずつ進んでいきたいと考えております。
結びに春本番ではありますが、高野の朝夕はまだまだ冷えます。町民の皆様におかれましては「うがい、手洗い、換気」等に心がけご自愛ください。
2025.3.1
高野町長 平野 嘉也