くらし 人権学習

■戦後80年
広島、長崎への原爆投下、太平洋戦争の終結から80年という月日が流れました。戦争により多くの尊い命が犠牲となりましたが、戦争の傷跡を残しながらも日本は復興に向けて立ち上がりました。産業の発達により物が豊かな時代となり、平和な社会を築いていますが、広く世界に目を向けると決してそうとも言い切れない現状があります。
先日、「私は憎まない」というドキュメンタリー映画を観ました。パレスチナ自治区ガザ出身のパレスチナ人医師が、三人の最愛の娘を戦争により失い、悲しみに暮れながらも、相手国の人々を恨むことなく、平和と人間の尊厳を追求しながら懸命に生きる姿を描いた映画でした。今、この時も戦争や紛争が現実に起きているのです。何の罪もない人々が何故命を奪われなくてはいけないのでしょう。行き場のない怒りや深い悲しみを乗り越え行動に移していく勇気ある医師(父親)の姿に心を打たれ、何度も目頭が熱くなりました。
月日が流れるにつれ戦争経験者の減少が進み、世の中から戦争の記憶が徐々に薄れつつあると危惧しています。『悲惨な戦争の教訓を次世代に伝える仕事は現代の日本人に課された使命と言えるだろう。』こんな新聞記事が目に留まりました。現代の日本人、つまり私たち一人ひとりのことです。戦後80年という節目の今年。みなさんが「平和」について考えてみてはいかがでしょうか。

問合せ:教育委員会事務局 人権同和対策係
【電話】73-1302